2時間、6000字の超大作です。 | UNIV. of TSUKUBA Rowing Team

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部員が日々の出来事や練習、試合の予定や結果についてかいています。
気楽に書きますので温かい目で見てください!

こんにちは、筑波大漕艇部3年の池上です。

 

今回は初めてパソコンでブログを書いています。タイピングは速いのですが、意外とスマホと書く速さは変わらないなあと思っております。

 

自分は、お花見と五大学は付きフォア(S:池上 3:冨永 2:丹 B:黒澤 C:法田)で出漕させていただきました。自分は、五大学の3日前に解散が悲しくてベッドで一人静かに涙を流すほどこのクルーが大好きなので、めちゃくちゃ文章が長くなるかと思われます。

 

 自分にとって昨年は、我慢の年でした。エルゴタイムはベストより常に10秒ほど遅く、どこで力を入れればよいか全くわかりませんでした。冬休みが終わり、冬連でしっかり自分自身を追い込もうと意気込んでいた時に、7年ぶりのインフルエンザにかかりました。(高校の同窓会当日...)ここまでは前回のブログで書いていましたね。そこから復帰して3週間、最初は自転車をこぐだけでハアハアしていたのですが、早期の回復を目指しあきらめず取り組みました。この冬連のエルゴは500*8が週に2本あるとかいうバカげたサイクルだったのですが、それを欠席することなく、しっかり3週間漕ぎ続けました。そして、TTではベストにあと0.5秒というところまで近づくことができました。長い長いスランプを克服した瞬間です。今思えば、あんなにどうやっても速くならない時も、しっかり諦めず漕ぎ続けた自分は評価に値するのではないかなと思います。

 

 楽しかった部旅行を終え、いざ戸田入り、となったときに、再びコロナパンデミックが部を襲いました。付きフォアからは黒澤、冨永の2人が犠牲となり、特に冨永さんは10日間ほど咳が止まらない状態でした。松野や鎌刈、森田が代漕に入ってくれて練習ができましたが、エイトの選考もあり(フォアにはエイトの選考に落ちてしまったうちの1人が乗ることになっていました。)、全メンバーがそろって練習が始まったのは予定より1週間以上遅れていました。

 

 エイトの選考後、丹きゅんが2期メンバーとしてフォアに入ってきました。新入生ではあるものの、高校の経験者でかつ新人戦でも対校エイトに乗っていた丹は、確実に自分たちのクルーの中で一番うまく、大補強であったことは間違いありません。ただそれが、自分の中でも少しプレッシャーになっていました。もともとエイトに乗りたくてそれがかなわなかった丹は、フォアの練習で充実感を得ることができるのだろうか。フォアの練習強度で丹を成長させてあげることができるだろうか、逆に足を引っ張らないだろうかという不安がありました。自分たちの拙い漕ぎに影響されて今より下手になることも危惧して、最初は丹をストロークにして自分たちが丹に漕ぎを合わせる方向で行こうと思っていました。周りからはストロークやれよ、と言われていたのですが、自分の中にストロークは一番うまい人が乗るべきだという印象があったこともあり、最初はこのシートが丹にとってもクルーにとっても最善だと信じて疑いませんでした。

 しかし、ストロークを任されて毎回重そうに漕いでいる丹を見て、これでよいのかなと感じ始めました。自分は今回の合宿中、バイトのためにつくばと戸田を往復していたのですが、そのバイト中にひたすらそのことについて考えました。(今思えばバイトは良い気分転換になっていたと思います。おかげでミスもたくさんしましたが。)。高校の同期とはいえ、後輩にストロークという思いポジションを「一番速くなりそうだから」という理由で押しつけることは責任放棄なのではないか、と思い、一度自分がストロークに乗ってみることで、このシートが最善であることを証明して見せようと考えていました。練習後にそのことを打ち明けました。この話をしたとき、自分はいたって本気だったのですが、他のクルーメンバーは爆笑していました。

 実際乗ってみると、なんかタイムが出ちゃったんですね。びっくりしました。自分はストペアとバウペアの出力、体型が近くなったということが要因かなと思っています。そこから自分がストロークに固定されることになったのですが、ストロークは自分の漕ぎを終始見られているというプレッシャーがすごいかかってしんどいなーという印象でした。ドライブが重いと感じたことはなかったですね。みんながうまいからかな。

 

 そして練習を重ねていって、まずはシーズン初戦、お花見レガッタ。目標はB決勝進出でしたが、昨年より出漕クルーが多く、C決勝進出が現実的な目標かなと思っていました。また、タイムでも3,45という目標を立てていました。

 予選では、6艇中4位でC決勝に滑り込むことができました。最後に1艇差したのですが、これがなかったらD決勝でした。決勝のタイムを見ても確実に格上だと思われる相手に勝つことができていたので、最高の結果だと思います。個人的には、家族が来てくれていたのですが、今までのレースでは毎回最下位だったので、初めて他の艇に勝つことができて良い思いをさせてあげられたことがとても嬉しかったです。レース展開としては、ひたすらレートが落ちず(落とせる展開でもなかった)ので終始しんどかったですね。ずっと練習のスパートのレートで漕いでました。

 C決勝では、6位中4位は目指せる位置にいたのですが、追い上げ及ばず最下位でした。タイムも3,45,20とほぼ目標なのですが、ギリギリ届かないという結果でした。他のメンバーは喜んでいたのですが、個人的には少し悔しい気持ちが残る結果となりました。お花見レガッタは、動画で見返すと全然良い漕ぎはしていませんでした。オールがバラバラで全くそろっていませんでしたね。ただ、このタイムで五大学では優勝を目指せるかもしれないという気持ちが芽生えてきました。

 

 ただ、4月は新歓もあり、思ったように練習が積めなかったのが実際のところでした。全員霞ヶ浦と戸田の艇とオールの違いに苦しんでいました。エルゴ、ウエイトはしっかりやっていたものの、不安をぬぐい切れないまま直前の土日に戸田入りしました。

 ビビりながらスタートした直前合宿は絶好調でした。霞ヶ浦から抱えていたストレスから解放され、漕ぎが洗練されたような気がします。自分の漕ぎ、クルー全体の漕ぎをたくさんほめていただき、めちゃくちゃ自信がつきました。自分の漕ぎが褒められたことなんて今までなかったのでめちゃくちゃ嬉しかったですね、実際リズムはうまく作れていたと思います。レートを少し落としたのも好影響だったのかな。練習の時、一瞬海洋大学のフォアとUTの並べみたいになったとき、離すことができたので更に自信もつきました。

 

 当日の五大学、強風が予想されていましたが、思ったより波は立たず悪くないコンディションでした。当日はめちゃくちゃ緊張していましたが、それが漕ぎに影響するのではという不安はありませんでした。すごい良い状態だったと思います。

 レースが始まって、スタートでは海洋、防衛両校に離されました。スタートのレートは抑えて練習していたのですが、それは想定内でしたが、防衛は途中で抜いたものの、海洋には500地点辺りで1艇身差もつけられていました。ただ、強風が吹いたときに崩れることなく、距離を詰めることができました。本当に安定して漕げていたと思います。

 1500地点手前で彩花さんがスパート準備のコールを入れました。自分たちはレートを抑えて練習していたので、レート2枚上げても33ほどまでしか出ず、出力も大して変わりませんでした。そのため、250地点でもう2枚レートを上げましたが、みんなちゃんとついてきてくれました。さすがです。250地点では1艇身弱あったのですが、そこからぐんぐん海洋に迫り、どちらが先にゴールしたのか正直わかりませんでした。岸に着けたあとも応援してくれていた人たちもどちらが先にゴールしたかわからなかったらしく、放送で負けを知りました。さすがに悔しくて少し泣きましたが、新入生にも、OBさんにも良いレースだったといってもらい、気持ちが晴れました。

 後日動画で見返すと250からの追い上げがすさまじく、本当に良いレースだったのだなと実感できました。250でほぼ1艇身差あるというのは、本来なら絶望的で、あそこまで追い上げられたのは本当に自信につながりました。コンスタント、スパートを明確に意識して、レースの中で「仕掛ける」ことができたのは初めてだったので、本当に楽しかったです。

 

 現時点で3000字を余裕で越しているのですが、クルーメンバー1人1人について書きたいので、もう少しお付き合いください。シート順に書きます。

 

 冨永さんとは、これでクルーを組むのは3回目です。今までの大会の半分以上を冨永さんと出漕しています。今までは良い「漕ぎ」はあったものの、良い「レース」はありませんでした。一緒に漕ぐのはさすがに最後だと思うのですが、最後に熱い、本気のレースができて本当に良かったと思っています。一番身近で漕いでくれた人に、最後に成長を見せることができ安心しました。どの大会でも、物わかりの悪い自分に丁寧に漕ぎを教えてくれてありがとうございました。自分は冨永さんに育てられたといっても過言ではないので、冨永さんのためにももっとうまくなりたいと思います。あと、引退までにエルゴ頑張って2000TTもう一回やってほしいなと思います。お花見の頃が一番速かったですよ、もったいない。

 丹きゅんは、自分は高校の同期ということもあり、絶対1度は同じクルーで乗りたいと思っていました。ただ、技術面では候補者の中でも秀でていたため、エイトの選考に勝ちあがると思っていたので、遠くに行っちゃったなー、一緒に乗ることはないまま引退するのかなーとも思っていました。もちろん、誰が来ても大歓迎だったのですが、丹が来るとわかったときはめちゃくちゃ嬉しかったです。今思えば、フォアは丹が乗るのが一番速かったと思うし、エイトははせけんが乗るのが一番速かったのではないでしょうか。はせけんは五大学後の2000TTで大きくタイムを伸ばして選考の時がまぐれじゃなかったことを証明して本当にすごいのですが、しっかりと丹も大幅にタイムを上げていて、もちろん本人の努力の賜物ですが、フォアの練習は間違っていなかったのだなと再確認できました。

 たいらはもう、完全に二人でセットにされてますね。うれしい。次も同じクルーに乗るのだと思います。たいらは、もう自分にとっては欠かせない存在で、クルーにいることですごいリラックスできています。結構後ろから声を飛ばしてくれるんですが、多分全部自分に向けてます。フォアに乗って嬉しかったことの一つは、たいらが本当にこのクルーが好きなんだな、と伝わってきたことです。五大学のフォアの動画がネットに上がったとき、自分に真っ先に連絡してくれましたし、「友達家族全員に見せたい(原文ママ)」と言っていました。来年こそ一緒にフォアで勝つ約束もしています。たいらはフォアだけではなく、ボートを好きになっているのですが、鎌刈のばんちゃをしていた時、「シングルのA決勝なんてめっちゃかっこいいよなあ」と言っていたのが自分としては印象的過ぎましたね。たいらからそんな言葉が出るのかと。今回の合宿でも、いろいろなことに連れまわしてしまいましたが毎回ついてきてくれてありがとう。もう離しません。

 彩花さんは、フォアの中ですごい良いアクセントになっていたと思います。フォアはエイトほど濃いメンツがそろっているわけではないのですが、めちゃくちゃテキトーでふにゃふにゃしていました。そんな中、しっかり者の彩花さんがすごい場を取り仕切ってくれる場面が何度もありました。自分はボートを持つ位置が最後まで分からず何度も教えてもらいました。COXとしても、勝負勘が素晴らしくて、自分たちが不器用で足けりしか入れられない中(他のコール入れると崩れちゃうんですねー)、すごい良いタイミングで、足けりもスパートも入れてくれるんですね。五大学であんなに離されても最後まで勝負がわからなかったのは彩花さんのおかげだと思います。五大学当日は、風邪で声をからしていたのに、動画を見るとすごい声が入っています。マネージャー業も大変な中、本当に頑張ってくれました。あとは、関係ないのですが、新歓SNS班でもしごできです。(新歓SNSは丹もよしぴょんもめちゃくちゃ頑張ってくれてます。)そんなこともあり、この冬で部員の中で一番距離が縮んだように感じています。けろけろけろっぴは大事にして欲しいですね。来年も絶対一緒に乗ろうね。

 

 5000字を越えたところで。最後に自分の振り返りです、このクルーは本当に最高でした。その一言に尽きます。クルーリーダーを任せていただきましたが、辛いことなんてほとんどありませんでした。肩書だけいただいた感じですね、ありがとうございます。自分が目指していた理想のクルーそのものが実現できたように感じます。仲が良く、本気ながらも張り詰めた空気にはならず、コミュニケーションをたくさんとって常に良い雰囲気で臨む。今後このクルーを越える良いクルーはないのではないかと不安になるほど良いクルーだったと思います。自分自身の漕ぎを振り返ると、本当に良くなっていたのではないかと思います。たくさんの方に成長を褒めていただいたのはめちゃくちゃ自信になりました。特にうれしかったのは、懇親会後に礒野さんがボート論を語っていた時に、自分たちのクルーを例に挙げてくれたことです。別に褒められた褒められていないではなく、言及されるレベルのクルーを仕上げられたことで、成長を実感することができました。冬連から五大学まで、自分自身よく頑張ったと思いますが、それもクルーのおかげですね。四六時中ボートのことを考えられるほど、ボートの楽しさに気づかせてくれました。

 ただ、2レースともギリギリで悔しい思いをしたのは事実です。特に2000の6秒差なんて、エルゴをあと1回多く引いてれば、毎回もう1杯お米を食べていれば、と後悔はつきません。しかし、この経験があるからこそ、今後の練習では1本1本を大事に取り組める気がします。

 

 今後の展望としては、まずは夏季競漕にシングルスカルで出漕しようと思っています。全く自信はないのですが、2カ月もあるのでフィジカル含めすべてのレベルを大幅に上げられるよう頑張ります。フォアの後のシングルはめちゃくちゃ寂しいですが...。エルゴタイムも戻ってきたとはいえ、まだまだ遅いので、みんなと同じ土俵で戦えるぐらいには持っていこうと思っています。

 

 昨日、岩堀さんが2000TTで大幅にベストを更新しました。ちなみに、そのTTを最初から最後まで見ていたのは自分だけです。岩堀さんに誘われました。なんだかんだ池上が一番好きなんですね。自慢です。めちゃくちゃ良いTTだったので、自分も速くベストを出したいですねー。ちなみに、五大学翌日のTTでは冬のTTより0.2秒遅いだけでした。気まぐれTTだったので、ちゃんと朝ごはん食べればよかったかなー。応援来てくれた人ありがとうございました。(こうすけの「こっから1本も抜くな!」が熱かったですねー)でも気まぐれでTTを引けるようになった自分に拍手です。

 

 最後に、五大学レガッタに関わってくれた、応援してくれた皆様、本当にありがとうございました。引き続き応援よろしくお願いします。(ここまで読んでくれる人は何人いるのでしょうか)

 

 付きフォアのみんな、絶対打ち上げ行こうね!

 



池上