こんにちは。
直接雇用歴10年・派遣社員歴20年のロウです。
今回は、派遣で働くうえで知っておきたい
「労働基準法(労基法)」と「労働派遣法(派遣法)」の基礎をまとめました。
派遣社員はこの2つの法律が複雑に関わり合う働き方です。しかし実際には、
「どの場面でどっちの法律が関係するの?」
と分からないまま働いている方も多く、トラブルが起きたときに”言い分が通らない”原因にもなります。
この記事では、派遣という働き方の基礎となる法律を、専門用語をできるだけ使わずに整理しました。
派遣社員に関係する法律は大きく2つ
派遣社員には、主に2つの法律が関わります。
①労働基準法(労基法)
すべての労働者に共通する最低ラインのルール。
残業代・休憩・解雇・有給など、働くための土台を規定しています。
②労働者派遣法(派遣法)
派遣という仕組み特有の”三者関係のルール”を定めています。
派遣元(雇用主)・派遣先(働く場所)・派遣社員の役割や義務を明確化する法律です。
まず、それぞれの内容から見ていきます。
労働法は「すべての働く人の最低限の権利」
法律上、雇用形態に関わらず働く人はすべて”労働者”です。
そのため、労基法は派遣・アルバイト・正社員などに関係なく平等に適用されます。
会社がこの基準を下回る働き方をさせることはできません。
●労基法が関係する典型的な場面
- 残業代がでない、深夜割増がない
- シフトを急に変更された
- 有給休暇が取れない・取らせてもらえない
- 休憩がとれない
- 安全配慮の不足(危険な作業、体調不良でも無理に働かされる等)
- 不当な中間搾取(労基第6条:中間搾取の排除)
労基法は”最低限ライン”ですので、ここを守らないのは法律違反になります。
「派遣だから仕方ない」「非正規は権利が弱い」
という考え方は、本来存在しません。
労基法は雇用形態に関係なく平等に働きます。
派遣社員に特有のルールは「派遣法」で決まる
一方で、派遣という働き方にしかないルールを定めているのが派遣法です。
三者(派遣元・派遣先・派遣社員)の役割が複雑になりやすいため、
トラブルを防ぐ細かなルールが定められています。
派遣法が定める主なポイント
①事前に契約内容を明示しなければならない
業務内容/就業場所/契約期間/勤務時間
など、すべて書面で明示する必要があります。
②契約以外の業務をさせてはいけない
「抵触業務(契約外業務)」は禁止されています。
例:データ入力で契約しているのに、電話発信ばかりさせる…など。
③条件相違が起きたら、派遣元が調整する義務がある
派遣先との調整や改善を行う責任は”派遣元”にあります。
④待遇・賃金・評価の仕組みを説明する義務
労使協定の内容や、給与・交通費・評価方法なども明示しなければなりません。
派遣元と派遣先の”役割の違い”を理解しておく
派遣の仕組みは複雑に見えますが、
責任の所在を理解するとトラブル時にどこに相談すべきか迷わなくなります。
●派遣元(あなたを雇っている会社)
- 給料支払い
- 社会保険の手続き
- 契約内容の説明
- 派遣先と条件交渉
- トラブル対応
●派遣先(あなたが実際に働く会社)
- 業務指示(指揮命令権)
- 契約外業務をさせない
- 職場環境の整備
- ハラスメント対策の実施
この役割分担を知っておくことで、
無駄に我慢したり、相談先を誤ったりすることが減ります。
法律があってもトラブルが起きてしまう理由(一般論)
法律で守られているはずなのに、実際にはトラブルが起きます。
その理由は主に”構造上の問題”です。
- 三者関係で責任があいまいになりやすい
- 派遣先が現場事情で業務内容を変えることがある
- 派遣社員側は法的知識が少なく、主張しづらい
- 派遣元、派遣先の調整に時間がかかる
誰か個人のせい、というより
仕組み自体がトラブルを生みやすい構造になっています。
派遣社員が”自衛”のためにできること
相談先を把握しておく
- 派遣元の責任者(担当営業の上司)
- 労働局
- 労働基準監督署
法律を確認できる便利なサービス
デジタル庁が運営するウェブサービス
「e-Gov法令検索」
では、労基法と派遣法の最新の条文が読めます。
最低限の知識があるだけで、対応に必要以上に振り回されなくなります。
まとめ
- 派遣社員には、労基法と派遣法の2つが適用される
- 労基法は”すべての労働者の最低ライン”
- 派遣法は”派遣特有のルールや責任分担”を明確化した法律
- トラブルが起きる理由は、三者関係の構造にある
- 法的知識が、自衛の大きな武器になる
派遣で働くうえで「知らないまま」になりやすい部分ですが、
少し知識があるだけで、自分を守れる範囲が大きく広がります。