こんにちは。
直接雇用歴10年・派遣社員歴20年のロウです。
派遣社員として働いていると、よくこんな声を聞きます。
「企業って、なんでわざわざ高いお金を払って派遣を使うの?」
「直接雇えばいいのに」
確かに、ぱっと見ただけでは不思議に思います。
今回は、
企業が派遣制度を使う目的についてお話しします。
感情ではなく、
仕組みとしてどうなっているのかを知ると、
派遣という働き方の見え方も少し変わると思います。
派遣という仕組み
まず前提として、派遣は少し特殊な働き方です。
派遣社員は
- 雇用主:派遣会社
- 働く場所:派遣先企業
という形になります。
この仕組は、労働者派遣法で定められています。
つまり企業は
「人を雇っている」
のではなく
「労働力を借りている」
という形になります。
この違いが、企業が派遣制度を使う理由につながっています。
理由①必要なときだけ人を確保できる
企業の仕事量は、常に一定ではありません。
例えば
- 繁忙期だけ人手が足りない
- プロジェクト期間だけ必要
- 産休・育休の代替
といったケースです。
この場合、期間限定で人が必要になります。
もし直接雇用をすると
採用
↓
教育
↓
仕事終了
↓
配置転換または雇用維持
という問題が出てきます。
派遣制度の場合は
契約期間で調整できるため、
企業にとって使いやすい仕組みになります。
理由②採用の手間がほとんどない
直接雇用の場合、企業は
- 求人掲載
- 書類選考
- 面接
- 採用判断
- 入社手続き
- 社会保険料手続き
などを行う必要があります。
これは、かなりの時間とコストがかかります。
一方、派遣制度の場合は
派遣会社が採用を行います。
企業は
「この人でお願いします」
と選ぶだけです。
つまり
採用業務を外部に委託している
とも言えます。
*補足(法的な考え方)
本来、派遣先企業が特定の人を指名して採用することは、
労働者派遣の趣旨から外れるため注意が必要とされています。
ただし実務上は、
事前面談などを通じて「適性の確認」を行う運用が一般的であり、
法令の範囲内で調整されています。
理由③労務管理を減らせる
直接雇用の場合、企業は
- 給与計算
- 社会保険
- 休職対応
- 労働トラブル
- メンタル不調対応
など、さまざまな労務管理を行います。
派遣の場合は、
雇用主は派遣会社であるため、
これらの管理の多くは派遣会社が担います。
企業側は、
業務指示に集中できる
というメリットがあります。
理由④人件費を固定化しない
正社員の場合
- 賞与
- 昇給
- 退職金
- 教育コスト
など、長期的なコストが発生します。
一方、派遣の場合は
時間単価の派遣料金
が基本です。
企業から見ると
- 必要な分だけ支払う
- 必要なくなれば契約更新しない
という
変動費型の人件費
になります。
理由⑤社員数を増やさなくていい
これは、実務ではかなり大きな理由です。
多くの企業では
- 社員数
- 人件費
- 組織人数
などが管理されています。
しかし現場では
「人手が足りない」
という状況がよく起きます。
その時に利用されるのが派遣制度です。
派遣社員は
他社の従業員のため、
社員数としてカウントされません。
つまり会社としては
「人は増えていない」
という扱いになります。
派遣料金は実は安くない
派遣料金の中には
- 派遣会社の運営費
- 社会保険
- 営業費
- 利益
などが含まれています。
そのため、派遣料金自体は決して安くありません。
それでも企業が派遣契約を利用するのは。
それ以上に
- 採用コスト
- 労務管理
- 雇用リクス
を減らせるからです。
まとめ
企業が派遣制度を使う理由は、主に次の通りです。
- 必要な期間だけ人を確保できる
- 採用コストを減らせる
- 労務管理を減らせる
- 人件費を変動費にできる
- 社員数を増やさなくていい
つまり派遣制度は
企業が人材リスクを減らすための仕組み
とも言えます。
最後に
派遣社員として働いていると、
「なぜ企業は派遣を使うのか」
という疑問を持つことがあると思います。
ですが、感情だけで見るのではなく、
制度としての目的を知っておくことはとても大切です。
その上で、
派遣という仕組みの中で
自分に合った働き方を選んでいく
ことができれば、
派遣という働き方の見え方も少し変わるかもしれません。
制度を知ることは
自分の働き方を考えるための大切な材料になります。