こんにちは。
直接雇用歴10年・派遣社員歴20年のロウです。
前回は、派遣の「三者関係」がどうして現場で形骸化しているのか、
そのモヤモヤの正体をお話ししました。
今回は、その中でも最も力を持つ存在ー
派遣先企業の思惑について掘り下げます。
派遣先はなぜ派遣契約をするのか?
表向きの理由はシンプルです。
「人手不足だから」「即戦力がほしいから」
でも実際の目的は、もっと現実的で、
もっと”都合がいい”理由が隠れています。
1.コストを抑えられる
正社員を採用するには、
求人広告費・社会保険・賞与・退職金など多くのコストがかかります。
派遣契約なら、これらのコストを派遣会社が負担。
しかも3ヶ月単位で契約更新できる。
つまり企業にとって派遣はー
「必要な時期だけ人を使える、リスクの少ない契約形態」なのです。
2.”使い勝手のよい戦力”としての存在
派遣先企業の上司たちは、こう考えています。
「人件費を固定費にしたくない」
「欠員が出た時だけすぐ補充できる人材がほしい」
だから”長期派遣”という名のもとに、
常に入れ替え可能な労働力として見ているケースも少なくありません。
実際には「長期就業できる人を希望します」と言いつつ、
契約更新は”予算次第”。
業績が悪化すれば、あっさり更新ストップ。
3.「直接選びたい」本音と、派遣法のグレーゾーン
本来、派遣法では派遣先企業が派遣社員を「面接・選考」することは禁止です。
でも、現実は”職場見学”という名目で、
実質的な選考が行われています。
「他の派遣会社にもお願いしているので、全員見てから決めます」
ーと、直接派遣社員に言う派遣先担当者もいます。
書類上は派遣会社が人選しているはずなのに、
現場では「誰を取るか」は派遣先企業が決めている。
つまり、罰則がまま常態化しているのです。
4.「更新しない」と言われることは想定していない
派遣先企業は、派遣社員が「更新しない」と言う可能性をあまり想定していません。
「更新しないって言われること、ほぼないから」
「急に辞められると困る」
といった声を、現場でも聞きました。
つまり企業側は、
「派遣社員は基本、続けるもの」という前提で動いている。
これが、派遣社員が更新を断ったときの
「なんで辞めるの?」という違和感に繋がります。
では、派遣先企業に悪意があるのか?
一概に”悪い”とは言えません。
彼らも会社を守る立場として、合理的に動いているだけです。
でも問題なのは、
その合理性の裏で人の感情が見えなくなっていることです。
まとめ:派遣先企業の”本音”は「責任のない柔軟さ」
派遣先企業が派遣契約を選ぶ最大の理由。
それはー
「責任を負わずに、必要な時だけ人を使える」
という”柔軟さ”にあります。
この構造がある限り、
派遣社員は常に”使われる側”の立場に置かれます。
だからこそ、派遣社員自身が
契約を理解し、「選ぶ側」に回る意識を持つことが大切です。