私が一番好きな花です。今年もたくさん咲いてくれました。ありがとう。
ペレニアルフラックス(Linum perenne)
アマ科の宿根草。西アジア〜ヨーロッパ原産。和名は宿根アマ、学名はリナム。
私は英名の「フラックス」という名前が一番言いやすいので、いつもフラックスと呼んでいます。毎年4月中旬〜5月初めにかけてブルーの美しい花を咲かせてくれます。
花は朝咲いて、夕方までに散ります。一つの花は一日しか咲きません。
早朝の花が最も濃いブルー。だんだん色が薄くなっていって、散るころには白っぽい色になっています。散るときは桜のように潔く散るところも好き。
庭の主役として使われることは少ないと思います。どっちかと言うと「サブ植物」。
だから花壇の中で数株植えられていたり、バラのジャマにならないところで咲いていたりするのが普通かな。
でも私には最初から「いっぱい咲いているところが見たい」という気持ちしかありませんでした。この花を初めて見たときからそうだったと思います。そしてこの2年くらいで、本当にそれが実現できたな、と思ってます。
このフラックスを見てほしくて、今年から満開の時期に庭をオープンするようにしました。
見てくれた方々は、みなさん「どうしてこんなに増えるのですか?」と聞いてくれます。
でもそう聞かれても、なかなか明確に答えられませんでした。なぜなんだろう?
昨年の7月の様子
まず一つは、なるべくたくさんの種を庭に落としてもらうこと。
いったいどのくらいの数が庭に落ちているのか、もはや見当もつきません。自然にこぼれるものもあるし、私が庭のあちこちにバラまいているものもあります。とにかく場所を選ばず、花壇の中でも、芝生の上でも、砂や砂利しかないところでも、どこにでも種を落としています。
現在の芝生の一部
そんな種たちが、それぞれ適した時期に芽を出してきます。冬の寒い時期に発芽するものもあれば、梅雨どきに芽を出すもの、秋の涼しい時期に出てくるものもいます。春が来る前に芽を出したものはその年のうちに、梅雨以降に芽を出したものは翌年に咲くものが多いです。
私が心がけていることが一つだけあるとすれば、それは芽を出したフラックスたちの「ジャマをしない」こと。環境さえ合えば、何もしなくても力強く成長してくれます。じっとそれを見守ること。混んでいれば間引いたり、必要なことはしますがほとんどのことは植物自身にまかせています。私はその様子をひたすら受け入れ続けているだけです。
ちょっと雑談。
ペレニアルフラックスが好きなので、この植物について時々調べてみることがあります。
実はペレニアルフラックスは「2種類」あります。
一つは、アジア〜ヨーロッパに自生するlimum perenne。もう一つは北アメリカ大陸の中央部から西部へかけて自生しているlimum lewisiiです。もともとヨーロッパに自生していたフラックスが、昔にアメリカ大陸へ広がったということらしい(この辺はあまりよく理解できてません)。
見た目はほとんど同じで、たぶん素人では区別できない。日本で流通している苗や種が、どちらのものなのかは分かりません。どちらかの地域のものかもしれないし、両方かもしれません。結局、よく分からないのでこのブログでは「linum perenne」として書いていきます。
ある日の朝の様子
ヨーロッパに自生しているペレニアルフラックスは、最近は数が減ってきていて「貴重な山野草」のような扱いになっている地域もあるようです。ちょっとさみしい。アメリカのlinum lewisiiはたくさん自生しているようで、ネットやInstagramで検索してみるとアメリカ中央部の荒れ地や草原のような場所で、フラックスが咲いている写真を見ることができます。一度そんな景色を見てみたいと思う。
私が庭を作ってきた時間と、フラックスを好きでいる時間はほとんど一緒。
今後もこの花が咲く庭を作っていくのだと思います。庭を作るうえで気持ちがブレた時期もあったと思いますが、フラックスが中心でなくなった時期はないと思います。そんな植物に出逢えたことに、今では感謝しています。
・・・偶然みたブログで、「亜麻の花言葉は『感謝』です」と書かれていたのを見たことがあります。花言葉にはあまり興味がないので調べたことはないのですが、本当だったら嬉しい。
この花を好きになる人が、少しでも増えますように。