今年の元旦は、以前と違った。
これまでは、ほとんど毎年、実家に帰っていた。両親に会いにいっていた。2年前からは母だけになったが、それまでと変わらず、実家に帰っていた。
私にとっては、年に2回のイベントだった。
今年も実家には行った。
しかし、親に会いに行ったのではない。
今は実家には誰も住んでいない。
実家に行ったのは片付けをするためだった。
これは思いのほか、寂しい。
なんと言う感覚だろう。
まだ母は生きている。
老人ホームに行けば、会える。
だから、会えない寂しさではない。
帰るところがなくなる。
そういう感覚。
ちまたでは、帰省ラッシュがあった。
たくさんの家族が実家に帰って行く。
「今年は帰らない。緊急事態に備えて」
同僚が言った。
そんな人もいる。
でも、帰らないというのは、
帰るところがあるということでもある。
何となく、いつかその日がくるだろうと思っていた、
その日が来た。
いずれ、今度は帰ってこられる側になる。
時の流れ、人生の流れだ。
その流れに逆らわず、その日を待つ。
1月2日記