ビール3杯で1800円。それが今年の夏の思い出である。思い出なんてものができたのは何年ぶりだ?
9月14日,定禅寺ストリートジャズ・フェスティバル2日目。一番町で見つけた女性は記憶にあったその人よりかなり瘦せていた。
別人か?と思うほど。いや絶対に彼女だ。すぐに頭を切り替え、踵を返した。
彼女は丙午生まれの牡牛座で、俺より七つ下。昔、ルシアというバンドをやっていて、あの「ロックンロール・オリンピック」に出たこともあった(その麗姿はYouTubeでも見ることができる)。
彼女の店、「SMOKE」は文化横丁にある。もう25年も続いている。そこでビールを飲ませてもらえることになった。
調子にのって3杯もらった。そんなに飲んだからいろいろ話した。ほとんど俺が一方的に。
SMOKEの店主はどんなことをしゃべっても嫌な顔はしない。いわゆるこれが聞き上手ってやつなんだろう。だから年も続いてるんだ。その間にけっこうな病気にもやられたってことだし、あのコロナってやつにも見舞われたのに。
ショーイチやキムラや峯岸さんや羽川氏や松本こーじや北川潤や遠藤ミチローさんやマキちゃんやミッちゃんやエリちゃんやあいつの話、次から次に出てくる顔や言葉や音楽、とっくに話しつくされた話、全然知らなかった話。いったい俺は何十年分の話をしたんだろう。とにかく好きなだけ吐き出した。ぞろぞろボロボロと。
「映え」を残そうとする今の世の中。思い出ってのはどこに行ったんやら。なんてことをたまに思う中、久しぶりにできた思い出。Akiちゃんに感謝だ。