いや、今さら気づいたってぇだけなら、まだいい。
俺はこれを何度も繰り返してるのだ。
しかも同じ場所、ここで。
そう。
俺はこの橋の上のこのあたりでいつも思うのだ。
橋には風かぁ、なるほどなあ、と。
そういやそうだなあ、と。
もはやこれはデジャヴュでもなんでもない。
ただの癖である。
かゆいからかゆい箇所をかいている。その程度の、気づき。
てえかやっぱ、癖。ただの、癖。
こんな調子である。すべてが。生まれてからここまですべてが、癖、その集積。
ちりも積もれば山となる?
いえいえ、
ちりは積もらないのです。
飛ばされ、忘れ去られるだけのです。
つうか、
いくら足しても2にさえならない、永遠の、1。
それが同じ場所で同じことを思う、ということなのだ。
前進しない、1。
(To be continued。しょうこりもなく)