昔、橋ってのにはちょっとした何かがあった。
橋の上ったら、そう、じんせーに行き詰った! と思いこんだ人間がその欄干をまたいで
じんせーに別れを告げる場所。
橋の下ったら、欄干をまたいだが、結局またいだ足を元に戻して落ちるんでわなく、
歩いてその下に回り、落ちぶれた人間として生きることを選んだ人の住まう場所。
今となってはそれほど味わい深い場所でもないが、
やはりただの道とは少々趣きを異にする。
まず、橋ってのは風の強い場所でもある。
ここで帽子を飛ばされたらまず諦めなくちゃならない。
冬ともなればまず真っ先に凍てつく場所である。
ここで車のスピードを上げ、ブレーキを踏むとくるくる回ることもできる。
そっか、と俺はここで気がつく。
橋と風がけっこう強く結びついてるのだと。
なるほどね。
ま、こんなことに気づいてニタついてる俺なのだ。
(つーびーこんてにゅうどう)