だが別に俺は信じてるわけじゃない。
誰も相手にしてくれてなくても、実は一向にかまわないのだ。
俺が、誰かが俺を相手にしてくれてる、と思えることに意味がある。
たとえ実際には世界、いや、宇宙全体から見放されてたとしても、
俺がそう思わないことに意味があるんだ。
案外育ちがいんだな、お前。
とかなんとか思うやつもいるかもしれない。
俺なんてとてもじゃないが完全に世界、いや、宇宙から見放されてる
としか思えないぜ。だってそんな境遇なんだ、人生なんだ、とか言って。
お前なんか誰かが相手にしてくれてる? そんなふうに思えるなんて、
実はガキのころにしっかり誰かに相手してくれてたからなんだろ、
違うか?って。
そうかもしれない。もしあんたの言う通りなら俺は世界で一番の幸福ものだ。
たとえ実際には、世界、いや、宇宙全体が俺にそっぽを向いてるとしても。
とにかく俺は感じるままに感じるんだ。
誰かが俺の相手をしてくれてると。
たとえ365日、一切誰とも口を利かなかったとしても。
(つびこんてにゅーど)