君がよそ者の時、まわりはみんな変に見える。君が孤独がってるとみんな醜く見える。
そう彼らは演奏し、彼は歌ったのだった。
彼らはドアーズ、彼はジム・モリソン。
1970年頃まで存在してたアメリカのロックグループとそのグループのヴォーカリストだ。
その音楽に俺がのめったのは彼らが解散、というかジム・モリソンが死んじまってから
7、8年後のことだった。高校2年の時。
初めは音楽雑誌の「ロックの名盤」コーナーにだまされたと思った。
なんでこんなんが名盤なのだ?こんなんのどこがいいんだ?
ひたすら暗く、なのにサウンドは軽くて全然「ロックっぽくない」ドアーズの
「ストレンジ・デイズ」というアルバムに俺はひたすらがっかりしていた。
輸入盤に出した1800円を返してほしかった。
そんなふうに思うぐらい、俺は「Strange Days」をレコード棚の中に押し込みっぱなしにした。
数回聞いてあきらめたのだ。1800円を。
でもドアーズは俺をあきらめていなかった。
そんな楽ちんなやつらじゃなかったってことだ。
つづく