1時5分前の弾薬庫 | 愛と平和の弾薬庫

愛と平和の弾薬庫

心に弾丸を。腹の底に地雷原を。
目には笑みを。
刺激より愛を。
平穏より平和を。
音源⇨ https://eggs.mu/artist/roughblue

しみじみ沈んでいる。

畳の下、床の裏まで俺はめりこんで、なかなかだろ、誰だってこんなふうには沈めやしないぜ、

とか、そんなふうに思いながらなんだか得意な気分になって笑うんだが、

こんな俺がお前はどうも気持ち悪いってこった。

そんな顔してるってことは。

好きで沈んでると思ってんだな。

お前は、俺が好きでこんなふうに沈んでると。ここまで沈んでると。

自ら進んでただこんなのが趣味で、こんなふうになってるのがかっこいいとか俺自身思ってて、

得意になって沈んでんだと、そう思ってんだな、お前は。

まいったね。

誰が好きこのんで沈むんだ?

お前にとって俺はどんだけけったいな生物なんだ?

お前はどんだけ気の違った人間と付き合ってんだ?あんなことしてんだ?


誰かがやらなきゃならないんだ。

誰でもいいってわけじゃない。気づいた誰かがやらなきゃならないんだ。

でも誰も気づかない。俺は気づいた。だから俺がやってんだ。沈んでんだ。

畳の下まで。床の裏まで。

これ以上はなかなかきつい。俺には無理かも知んない。

だってお前はそんな顔してるし、誰も理解してくんないし、俺が好きでやってると思ってるし。


本当は気づいてるんだ。誰もが。

ああ、少しは沈まなくちゃなあ、俺も、私も、ちょっとは沈んとかないとなあって。

でも誰もやらないのはいまいち確信が持てないからだ。

これが本当に必要なことなのか、どうか。本当にこの世界に必要な行為なのかどうかが。

わかる。

その気持ちは、わかる。

俺だってあいつらに会わなかったら、実際に沈んでやろうなんて思わなかったに違いないのだ。

人々は変、と彼らは歌っていた。



つづく