https://www.youtube.com/watch?v=J9jIroq_I9c&list=RDJ9jIroq_I9c#t=22
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メスカレロズのアルバムが聞けるんだが、これがフツーに素晴らしい。
フツーに素晴らしいってのはどういうふうに素晴らしいのかってえと
すごく普通に素晴らしいってことで、ズドンと素晴らしいってほどじゃないが、
ありゃあやっちまったなあ退屈だなあというんでもないってことだ。
聞ける、ってことだ。
でも俺にこのアルバムの存在が知らされたのは去年のことだ。
2003年発表のアルバムの存在が。
これがつまり何を意味してるかってえと、ぜんぜん話題にならなかったってことだ。
いや、ロック世界的には話題ぐらいにはなってたのかもしれないけど。
でもまあ、俺は知らなかった。全然伝わってこなかった。
クラッシュが終わって、次に伝わってきた彼――Joe Strummerのニュースは
彼の死を伝えるニュースだった。
Sex Pistolsとともにロック音楽の世界の一時代を形成したThe ClashのJoe Strummerがこんなにまでフツーに素晴らしいアルバムを作っていたのに俺には何にも聞こえてこなかったってのは変だ。
誰かが俺の耳をふさいでいたに違いない。
何がわざわざ俺なんかの、世の中の誰にもほとんど認知されてないような一人のおっさんの耳をふさいでいたのか。
ここでふと俺の脳裏には「賞味期限」と言う言葉が浮かぶ。浮かんだ。
世の中にはいつまでも変わらず素晴らしい音楽を作り続けてるのに全然話題にもならないどころかすっかり忘れられてるなんて人がかなりいる。たとえばエルトン・ジョン。彼なんてその最たるところだ。あんなにフツーじゃないくらい素晴らしいアルバムを作り続けてるのに、今ラジオでエルトン・ジョンという名前をたまに耳にしたとしても、その次に流れてくるのは決まって昔の「Your Song」だったり「Goddbye Yellow Brick Road」なのだ。どこのラジオ局も「Diving Board」なんてかけやしない。
終わってるのだ。終わってたのだ。エルトン・ジョンも。ジョー・ストラマーも。
そうとしか思えない。
おそらくはきっとメディアが作っている賞味期限が彼らを終わらせてるのだ。
しっかりした消費期限をキープしてる彼らの音楽を俺の耳に届てくれなかったのだ。
うっかりしてるとまったく全部終わったことにされちまうぞ。