楽天イーグルスの一年目の終わりをホークスサイトの画像で見た。
モヤモヤした画面の中で田尾監督が胴上げされていた。涙が出そうになった。少なくとも最終戦まで残った選手には「ご苦労様!」や「ありがとう!」の気持ちが残っていたのだ。結局「田尾ファン」のままで一年を見終わった人間からすると、この選手たちの気持ちはうれしかった。「田尾ファン」の気持ちを代弁してもらった気分だからだ。少なくともこれだけの選手たちとは気持ちが一緒だったんだ。でも、こんなシーンを見つつじわじわと沸き起こってくる感慨には我ながら困った。なんとはなし楽天イーグルスは終ってしまったような気がするのだ。少なくとも「地元密着のイーグルス」は。
もっとも、「泣いたカラスが……」、いや最近じゃすっかり「3歩歩くと忘れてる」のニワトリ男の俺であるからして、来年の春になれば「野村!勝てよ!」と静かに熱い視線を注いでいるんであろうことは想像に難くないんであるが、今年注いだ視線とはまったく異質のものを含んでいるに違いない、そう思うのだ。
つまり、勝たなきゃブーたれる。負けりゃモノを投げる。そんなファンになっているような気がするのだ。これはきっと、俺だけじゃないと思う。ファンをそんなふうに、楽天球団は変えてしまうだろう。
「暖かい仙台のファン」はもう消滅した、そんな気がする。
いっそのこと球団はドラフト以外ではだ~れも取らずにいたほうがいいかもね。
「野村監督になってもやっぱり弱い楽天」のほうが人気を維持できるように思う。
だって、弱いチームを応援するのってすごい暖かい気持ちになれるんだもん。「暖かい人間になっている自分」が嫌い、なんて人はまずいない。楽天球団はそんなファン心理を知っておくべきだ。弱いチームが自分達の応援でじわじわと少しずつ強くなる、これほどファン冥利に尽きるものはないんだしね。このへんが、目の前でけどんどん結果が出てくるIT産業で社長を務めるオーナーにはなかなか理解できないんだろう。
てな愚痴めいたことは、そう、もうやめましょう。
楽天イーグルスの選手たちよ!来年はあなたたち自身が人気者になってください!監督が一番の人気者、なんていうのは今年限りにしよう!頼むぜ、岩隈、福盛、ヨシダ、山崎、一場、吉岡、高須、鷹野、川口、有銘、朝井、礒部、関川、戸叶、藤井…………!!!
【田尾監督最後の談話(球団サイト他より)】
胴上げ感動しました。他人のことでは泣いても、自分のことではなかなか泣かないんですが、フルスタ最終戦は片目から、そして今日は両目から涙が出てしまいました。
最終戦まで緊張したゲームができました。あそこまで追い上げてくれたのは素晴らしいことです。
最後に負けてしまったのは、楽天らしいところですね。大島は、現役最後の打席になるかもしれないと思い、見逃しの三振だけはするな、俺の目に焼き付けておくからな!と伝えました。
これからも楽天の戦いはしっかり見ていきたいと思う。長く愛される球団になって欲しい。