1265日め(回収ボックス)(着物について) 〜 山猫の巣 | 猫と犬との生活・ガーデニング・二次元鑑賞・手芸に勤しむ山猫

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10年ぶりに迎えた子猫はチャーミングな娘さんになりました笑。ほぼコニファーと睡蓮しかなかった庭をDIYしながらベリー類・野菜・ハーブ・バラ・クレマチスなどを育て始めて数年。たまに映画・アニメ・本などのことも。よろしくお願いします。

おはようございます。





昨日は

ショッピングモールに設置された

洋服の回収ボックスに

11着の着なくなった服を入れてきました。


「ポリエステルテル100%」

「それ以外」

の簡単分別だったので

単純明快ですぐに終わりました。


私にとっては

ゴミに出すより

精神的な圧迫感が少なくて

ありがたかったです。

ただこちらは常設ではないので

常設してくれたら

もっと嬉しいのですが。


フードドライブなども

常設だったらいいのにと

たまたま見かけると

いつも思います。


古布は

車のトランクに

しばらく入れて置けるけど

食品は

そういうわけにはいきませんからね。




ところで先日

着物を少しづつ手放さなければと

書きましたが

一度は着物生活に興味を持った私が

普段着物をあまり着なくなった理由は

以下の通りです。


①家にいる場合はいろいろ作業しがちで

袖が邪魔になる。襷をかければいいのだが

そうすると脇がモコモコするし

脇がモコモコしないよう

畳んで襷に挟むと

体幹が引っ張られてそれも不快。

慣れればいいのだろうけど。

襷をかけると

腕が肘の上まで寒くなるのも

好きではない。


②外出する場合

田舎なのでどこへ行っても目立つ。

車で街中へ行っても目立つ。

美術館などへ行っても

東京などと違い

着物の人はまずいないので

やっぱり目立つ。


目立つだけならまだいいけど

書店などのお店で

お爺さんに一度

あからさまに

上から下まで

まじまじと見られたことがあり

そんな人は滅多にいないよね・・・

と思っていたところ

しばらくして

また同じことがあったので

そんな嫌な思いをしてまで

着る意味はないと思い

人の多いところへ着ていくことは

しなくなった。


③家にいるとしても

体調が思わしくないと

面倒で着られない。

ふわふわズボンを履き

カットソーを被る労力は

着物を着る労力の100分の1 以下。




訪問着に関しては

訪問着を着るような機会

そのものがほとんどなく

あっても大概遠方で

長距離移動に気を使うのは

疲れるので

洋服で行ってしまいます。


着物要らないですよね・・・。


訪問着はリサイクルではなく

祖母が母に作ったものを

貰い受けたもので

豪華ではないけど上品で

梅も菊も入っている

一年中着られるものです。

祖母の堅実な性格が窺えます。

どちらかだったら

その季節にしか着られません。

訪問着なので

いつでも着られる1枚を

っていう合理主義。

本当おばあちゃんらしい。

この祖母は

普通に庶民ですが

お金に困ったことはなく

遊びに行くと

ちょっとお菓子を買うくらいのお金を

こちらがいう前に

「〇〇屋さんで好きなものを買っておいで。」

とくれたものです。

祖母の家のストックのお菓子は

お年寄り向きが多かったので

そうやって

好きなものを選ばせてくれたのでしょう。

子供の「好き」は移ろいやすいので

買っておくより

理に適っているともいえます。

さらに帰り際には

「お母さんには内緒だよ。」と言って

毎回千円くれました。

そのお金で

可愛い雑貨を買うことが多かったのですが

当時800円くらいだった

児童向けの

『シャーロックホームズ』を

何回か買ったことは

今でもよく覚えています。

そういうわけで

初めて知った

「ここではなく今ではない世界」は

19世紀末の世界の中心ロンドンでした。

「異世界」に

すっかり味をしめた私はその後

学校や部活が終わると

自室に籠って

20世紀初頭のヨーロッパ大陸を

ウロウロすることになります・・・。


いとこは私を含め10人いたので

お正月やお盆には

「演劇ごっこ」をして

遊んだくらいでしたが

もちろん祖母は

みんなに平等だったので

大人気でした。

「みんなはお小遣いを何に使ったのかな?」

そういうのを

観察するのも

祖母は楽しかったのでしょうね。

お金の使い方が上手過ぎ。




話がものすごく逸れました。


そういうわけで

訪問着は増やしていません。

訪問着はもともと

お高いものなので

紬や小紋といった普段着物より

リサイクルでもお高いのは

着物を着る方には周知の通りです。

私が増やしたのは

まさにその紬と小紋と

それらに合う金銀の入っていない帯なのです。


ただ

なんていうんですかね・・・


訪問着や

それより格上の

留袖(結婚式で新郎新婦の母親が着ているもの)

大振袖(成人式で女性が着ているもの)

花嫁衣装

喪服などに

コーディネートについて

細かい決まりが設けられているのは

まだ理解できます。

本音では

細かすぎると思ってはいますが。


けれども

紬や小紋にも

帯・帯締め・帯揚げ・半衿等々の

季節を合わせろとか

うるさ過ぎると思います。


(着方についても

おはしょりは人差し指の長さとか

別に決めなくていい

と私は思います。)


季節感でいうなら

真夏に真っ赤なTシャツとか

よく見ると暑苦しいけど

本人が良ければいいということに

なんとなくなっているように思います。

っていうか

他人の服なんて

気にしたらきりがありません。


着物の世界(出版物・サイト等々)では

春の花の柄の着物は春に着るもの

秋の花の柄の着物は秋に着るもの

それも少し先んじるのが

おしゃれと言われるけど

夏に「雪の輪」柄は

涼しげで粋、とか書かれていたりします。


センスの問題まで含んでます。高等。


そもそも

柄プリントのなかった時代

柄は刺繍か織りなので

そんな手間のかかった着物は

昔はお金持ちしか買えなかったわけです。


時代劇では庶民は

縞とか格子を着ているのも

作りがシンプルで

比較的安価だからでしょう。


だから

柄入りの着物に関しては

お金持ちの気持ちを満たす

細かい決まり事が

生まれたのかもしれません。

いくつかの本や記事で

そう書かれているのを

読んだことがあります。


ここ1番の

訪問着などは

小物などをコーディネートする時に

せっかくお金をかけるなら

そういった決まりを

細かく調べて

踏襲してみるのも

文化的な雰囲気を味わえたりして

一興かもしれませんし

そういうことが実際多いと思いますが

少なくとも普段着では

そこまでしなくていいと

思っています。




着方については

上に書いたおはしょり以外にも

喉元の開き具合

(後ろの)襟の抜き方

半衿の見える幅

帯の位置

帯の結び方の格の上下

帯揚げの見え方

等々

非常に細かく

しかも

諸説あるらしいです。


諸説あるのだったら

別に

決めなくてもいいのでは?

好きにすればいいのでは?

と思ってしまいますね。


そもそも

着物はみんな同じ形に見えて

少しずつ違うのです。

お出かけ着と普段着では

襟周りの作りが違うのは

リサイクルを

いくつか並べると気付きます。


訪問着はもちろん

小紋でも

花柄などのお出かけ着は

首の後ろが少し下がって

うなじが少し多めに見えるように

なっていたりするのです。

普段着はあまりそうではない。


私はこれは


お出かけ着

→ちょっとおしゃれな短めスカート

普段着

→実用本位の長めの楽ちんスカート


みたいな違いだと理解しています。

こういうことに気付くと

昔の女性に親近感が湧くと同時に

全ての着物を

同じように着るのは絶対に無理だと

感じます。


かの市川崑監督が

『細雪』のDVDの特典映像の中で

着物について語っていて

「戦前の着物と今の着物は全く違う」と断言しています。

※戦前→『細雪』の物語の舞台である昭和13年頃のこと

今→『細雪』が映画化された昭和58年頃のこと


昔の着物は高価であれ安価であれ、人が裁断して手縫いしていたということもあるでしょう。


普段着物は正直

明治から昭和の

花魁とかではない

カタギの女性の写真を見て

それより気崩れていなければいい

という基準の方が

今より着る人が増えると思います。


竹下夢二や

高畠華宵など

当時の絵師の絵に登場する女性たちといい

雑誌などに写っている人といい

当時の女性は

若い娘さんからお婆さんまで

結構ざっくりと着ていて

襟中心なんか

平気でずれていますし

おはしょりもタプタプしてたり

帯が上すぎたり下すぎたり

「気分で着てるな〜」っていう人も

いますね。

着ていると着崩れるので

崩れたら直すを

よくしていたというのも

うなずけます。


式典に出たりする時に着る

訪問着を着るような着方で

紬や小紋といった普段着を

カッチカチに着るから

着るのも器用さが必要で

きた後も人形みたいに不自由になります。


うんと着なれると

ちょうどよくこなれて

それはとても素敵だと思いますが

その領域へ到達するまでが

なかなか大変に思えます。


着物販売の会社の

パンフレットやネット画像の

モデルさんが

普段着の場合

売り場の店員さんくらいに

「動けますよ、動いてますよ、

ちょっと着崩れるけど

このくらいは大丈夫ですよ。」

っていう感じのものもあったら

親しみやすくていいかもしれないな

と思います。






山猫🦁