あの日からひと月が経った


泰文からも美貴からも

そして勿論亜子からも何の

音沙汰もなかった





もしかしたら

もう離婚は諦めたのだろうか




敢えて

僕が連絡を取る必要はないだろう






そしてまたひと月が経過した

ある日のこと


僕の携帯に着信があった


泰文からだった


 



久しぶりやな

どうしてたんや?




連絡せんと悪かった


実は俺家出ることになった





えっ!?

そうなん!?


美貴と暮らすんか?





うん





よう嫁が許したな





前に美貴と嫁会ったやろ


あれ

だいぶん堪えたみたいで


とりあえず別々に暮らそうって

向こうが提案して来たねん




でも離婚は絶対にしない


だから暫く考える時間を

与えるって

俺に言ってきた


何が一番正しいのか

もう一度考えてって





そら、嫁の言う事も一理あるよな


いくら束縛が激しいと言っても

不倫をして良い理由にはならへんから




でも前みたいな生活に

戻るくらいやったら

別居の方が良いよな




美貴はなんて言ってんの?






一緒に住めるのは嬉しいけど

離婚が無くなるのだけは避けて欲しいって




 


そらそうなるわ

で、慰謝料の話はしてるん?





ああ、してる

ある程度の金は渡すつもり

養育費もあるしな


金で揉めるのは嫌やから

その辺はきちっとしたいねん



 



ずるずるとならんようにな

時間かけても

何も解決せえへんから




 

年内には決着をつけるつもり

(当時9月)


お前には色々迷惑かけたな

悪かった







結構巻き込んでくれたよなー


まぁみんなが幸せって訳には

いかんと思うけど


後悔のない選択をしてくれたら

それでいい







この時の僕は何となくだが

このまま平和的解決に至るのではと

淡い期待を抱いていた



しかしその期待は

見事に打ち砕かれる事になる
































1994年ベストソング第10位

I Need Your Love/BOSTON


前作から実に8年ぶりの新作

『Walk On』収録


実に音質の良いアルバムでした


コンポのスピーカーで聴いても

ヘッドホンで聴いても

そのサウンドに浸れました


特に冒頭を飾るこの曲は完璧です⭐️