とりあえず「さわやかスポーツ編」の黒澤瞬のEDまで行ったのだが、これがベストエンディングなのかそうじゃないのか、イマイチ判然としなかった、というのも「私黒澤くんの事が…」と言いかけた所で、なんか生温かいことをゴニョゴニョ言われて、まあ今日はこの辺で、という感じで終わったからである。
やはり原作では野々原の男であるから、パラレルとは言え別の女(オタク)とデキさせるわけにはいかない、ということであろうか、そういえばこのゲームなんで野々原が主役じゃないのか?
逆に言えば、原作で本命がいる野々原が他の男とくっつくのに問題がある、と言えるかもしれないが、それなら、本命がいる奴はすっこんでろよ、という話になってしまい、これは原作アリ乙女ゲーの辛い所と言える。
そこで急きょ作られた主人公が、自分プロデュース系オタクだったのにはド肝を抜かれたが、そこで侮ってはいけない、黒澤とのテニスラリーの時に「あわわ…!」「いやーん!」などという声を出せる超女子力の持ち主なのである。
さすがにこの時は殺意がわいたが、その後「ブヒー!はずかしい!」というセリフを見て大分好きになった。
で、このさわやかスポーツ編。
最初は姉の練習に付き合うためテニスを始めた黒澤だが、段々テニスにマジになっていき、それを見守る主人公、という構図で進むのだが、その黒澤のテニスへの情熱に火を付ける役として「松山精三」という、どう見ても修造が出てくるのだが(顔は全然違うが)この修造、全く同じ顔のまま服だけ変えて別キャラとして登場するのである(時にはバスケのキャプテン、時にはフェンシングのチャンピオン)
こんな濃いキャラの顔をここまで堂々と使いまわすとはコピペ名人と言われた私もさすがに戦慄したが、よくよく話を聞いてみたら「兄弟」という設定らしい。
これは、顔を使いまわしたくて兄弟にしたのか、兄弟という設定が先で使いまわしたのか、ローティーン向けゲームにしては卵が先か鶏が先かぐらい哲学的な問題提起である。
で、テニスに本気を出す、黒澤だが、そこからは特に何もない。
練習後、更衣室からなかなか出てこないので、のぞきに行ったら、体中にびっしりウロコが生えていたということもなく(ただフォームの練習をしていた)「黒澤くんあんまり無理しないでね!」「うん、わかった!」で片付くのである、乙女ゲーにあるまじき物わかりのイイ男である(他のゲームならぶっ倒れるまでやるか、足を大故障させる)
こんな感じで全編通して「暗い話はなしにしよう」という感じで乙女ゲー三種の神器「暗い過去」「家庭不和」「コンプレックス」などが出てこない、逆に他の乙女ゲーキャラが湿っぽすぎる、とも言えるのかもしれない。
そしてこのゲーム、クリスマスに終わるようになっているのだが、その前にテスト週間がまたも圧巻、何も起こらず男と絡まず、という終業寺モードをワンスモア。逆に言えば、学生の身分でテスト週間中まで男と関わろうとする貴様の神経を疑う、ということなのかもしれないが、そう言われてしまうと返す言葉がない。
結論を言うとこのゲームは原作ファンがやれば楽しい
さらに言えばアラサー女がローティーン向けゲームをやって文句を言っている方がそもそもおかしい
子供服を無理矢理着て「破れたぞ!」と言っているに等しい(大人用でもたまに破る)
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