ママ友の多くは子供が中学生になる頃からパートを始めていたが、私は不妊治療、地方転勤、身内の病と続いて、退職以来社会復帰の機会にはこれまで恵まれなかった。

 

それでも生活に困ることなく専業主婦でいられたのは、ひとえに夫の稼ぎのおかげである。

しかしながら、世間の人たちが想像しているほど我が家の家計は楽ではなかったし現在も余裕などはない。

 

結婚当初は共働きのスタートだったので、家計のやりくりをどのようにしていくか夫に相談すると、

「自分が家計を預かったらすべて使ってしまうので任せる」

と即答だった。

今思えば「自分のことをよく分かっていたんじゃない」という感じだ。

以来、給料の振り込み口座は私が管理してきた。

 

7~8年前からは役員になって給料も上がったので楽にはなってきたが、それでも手取り額の3割は夫の小遣いとなっているので、残りの7割で生活費の全てと娘の学費や一人暮らしの生活費を支出すると数十万単位で毎月コンスタントに貯蓄するほどには残らないので貯蓄額はさほどないのが実情である。

夫が堅実であれば、すでに自宅は新築しているか、グレードアップした場所に転居していたことだろう。

 

数十万もの小遣いの使い道はもちろんお付き合いや部下へのご馳走などもあるだろうが、大半はパチンコだったと今なら容易に推察できる。

俺が稼いだ金だという気持ちだろうが、私にしたらドブにお金を捨てているようなものだ。

考えてみれば、会社から交際費は出るはずだし出張も手当てが出るはずである。

そうとも知らず、将来のためにと頑張ってやりくりしてきた自分が哀れになる。

 

10年ほど前に義母から言われた台詞を思い出す。

「○○(夫)が毎月なんだかんだと言ってきてお金を渡しているんだけれど、あの子はちゃんと仕事に行っているの?

私たちももう年金生活者なんだから毎月数十万も出してあげる余裕はないの。

家には毎晩帰って来ているの?

いったい何に使っているんだか、あなたが一番近くにいるんだから分かるでしょ?」

義母は浮気を疑っていたらしい。

そんな時期もおそらくあったとは思うが、夫に問いただすと、親から工面などしてもらっていないと言って認めなかった。

義母の貯蓄額が驚くほど少ないのは、なるほどそういうことだったのかとうなづけた。

 

義父が亡くなって義母に工面してもらえなくなる頃から給料が上がってきたので、それからは私に小遣い以上の金額を請求してくるようになった。

AMEXカードの支払いができていないからと100万円以上もの金額を捻出したこともあった。

「俺は働いているんだ」

と言われるのが想像できるので文句も言わずにやりくりして出してきた。

まさか義父のように借金まではしていないだろうが、万が一と考えると恐ろしくなる。

 

夫はずる賢い悪人では全くないのだが、家系的な遺伝や育った家庭環境が金銭感覚に大きく影響していると思わざるを得ない。

 

数年後には私も年金生活者、離婚しなかったら人生終えるまで夫の支出にビクビクする生活になるのではないかと怖くなった。