子供に手が掛かるのは進化の兆し
知人との会話です。「私たちが大学受験をした頃、試験会場に親が付きそうなどということはあり得なかったね。 大学の入学式に親が出席することもなかったです。ところが、今は普通なんだって。 それどころか、入社式に親を招く会社もけっこうあるようよ」。保育園、幼稚園、小学校、中学校の先生たちは口を揃えて言います。「以前と比べて手がかかる子が増えた。子どもたちが年々幼くなっているように感じる」。とにかく今の子どもは全体的に幼くて手がかかると言っています。未成熟で自立していない。大昔はもっとしっかりしていて、15才くらいで元服して大人だった。それに比べて今の子どもは困ったものだ。という話をよく耳にします。私はこれは一概に悪いこととは言えないと思います。なぜなら、生物が高等になればなるほど成熟するまでに手がかかり時間もかかるからです。例えば、昆虫は卵を産みっぱなしにするだけで子育てなどしません。これが魚類になると昆虫に比べて子育てに手がかかります。もちろん魚類といってもいろいろですが、中には孵化した稚魚を親が自分の口の中でしばらく守り育てる魚もあります。これは昆虫ではあり得ないことです。鳥類になるとさらに手がかかります。卵を温めて孵化させ、ヒナにエサを運びます。飛び方やエサの取り方を教えるものもあります。魚類では、子どもに泳ぎ方を教えたりエサの取り方を教えたりすることはありません。哺乳類になると、かなりの手間と時間をかけて狩りの仕方を教えたり、仲間集団におけるコミュニケーションの取り方や守るべきルールを教えたりします。中でも飛び抜けて手間と時間がかかるのが人間の子育てです。このようなことから、生物が高等になればなるほど成熟するまでに手がかかり時間もかかるといえるのです。ということは、今の子どもに手がかかるようになったということは、人類がよりいっそう高等生物になりつつあるということなのかも知れません。きっとこれが進化なのだと思います。進化の過程でのピアノ教育は,未だ使われていなかった脳細胞に刺激を与え、呼び起こしているのかもしれません。どんなに手が掛かっても、生徒さんの進化のためこれからも頑張ります!