「半月が沈むまで仕事しているなんてねえ」
って
まだ新人のころ、最初の職場を真夜中に出るときに
同僚がつぶやいたことを思い出した。
夜に半月が沈むのはいつも
真夜中と決まっているんだと
そのときに気付いた。
(つまり無知無学だった…(-_-;))
さすがにもうそんな時間まで職場にいるような
時代ではなくなったけれど
ベランダで沈む半月を見ると
真夜中に起きている実感をもつようになった。
上弦の月が沈みかけるとき
ぷっくりひとまわり
ふくらんだように見えるのがかわいらしい。
風がとまって雲が切れて蝉が一瞬息をひそめて
上弦の月の独壇場となったのに
大きくなったのを申し訳ないかのように、
しずしずと沈んでいくので
なお かわいらしいと思った。