自分が現実と思っているもの以外のところにも
世界はあるのだと
読書をしていると気づく。
気付いたのは中学1年生のときのミヒャエル・エンデだけれど
またあらためてより強くそう思っている。
大長編の終わり数ページで一気に
終息へと向かう感じは他の小説にもよくあるけれど
今回読んだ本ほどにものすごい感じに
なっていたものは他になかった。
強烈なジェットコースターにのって
歯を食いしばって景色を一つ残らず見ようとしているような
感じだった…といってもなんだか違う気がしていたら、
終わりの解説で又吉氏が「直立して拍手を送る心境」
と述べており、そうそうそういう感覚と共感した。
そういう敬意みたいなのをもって読んでた。
最初、珍しい読点の付け方がどうにもひっかかって最初のページで
疲れてしまったが、3ページ我慢したらそ気にならなくなる。
読点を読み飛ばすようになるというのも体験として面白かった。
肉眼ではみえない体内の細胞レベルのところに
ことばがことばの原形をとどめずに届き、
何か化学反応を起こしたみたいになるのが読書。