学生時代に聴いていた
「10YEARS」という曲は
大江千里さんが創って
渡辺美里さんが歌った。
大江千里さんの創るいくつかの曲には
度を越した(?!)せつなさがある。
美里さんが歌詞をかいて美里さんが歌うから
少し緩和されているものの
「10YEARS」もやはり
想いをせまいところに押し込んでいくようなせつなさが
感じられるコード使いである。
10年前と違い
少しでも油断すれば
楽な方へ退化しようとする。
鋭かった部分が鈍化するような
熱かった部分がぬるくなってくるような退化だ。
鈍くなりたくないし
ぬるくなりたくないなら
いつも新しいことを考えていなければならない。
もう捨ててしまわなければならないものは
思い切って処分しなければならない。
ものを処分することは簡単だが
ものではないものを
身体の中から処分するのは難しい。
節目だとか終わりだとかが来るたびに
決心のきっかけになるけれど
たいていは
この曲みたいに
10年と10年の真ん中にいて
同じ夕焼けの色に染まっているのみである。