遅くなって帰るときに
コンビニによっていくと
制服の高校生がいることが多い。
付近にいくつも学習塾があるからで
こんな時間になるんだな、と思う。
「塾青春」は知らないで小学校から高校まで
すごした。そんな裕福な家でもなかったし
塾に行かないで学習するのだという
ことを安っぽいプライドみたいにもって、
それを踏み台にしてやっと勉強する感じだった。
でも夜に通う塾には
学校とはちがう青春があるのではと
ずいぶん大人になって感じてから
ちょっとうらやましくなった。
塾帰りらしい高校生が自転車にのったまま
マンションの玄関で話しているのを
見ることもある。
昼間の学校と違う
別のテンションを見せていて
塾帰り独特の青春感を漂わせているのだ。
自分は浪人時代の予備校で初めて
「塾」と名の付くものに通ったことになる。
でもそれは昼だったし、
浪人しているといううしろめたさもあって
まったく青春感はなかった。
そんなわけで
もう味わうことは不可能な
あこがれの塾青春なのだ。