久しぶりの殿堂入り |  ろぜのポジ♪ブロ ~RAINBOW~

 ろぜのポジ♪ブロ ~RAINBOW~

基本笑顔、
基本ポジティヴ。
書くことでコントロールできる
こころのもちかた。

観客が泣くことを予想して

書かれている小説や映画はいくらもあるが

それで泣かずに「冷たい」とか「クール」とか

言われたことがある。

バスタオルがいるよ!と言われて

みんなで一緒に見た映画で

一人だけ最後まで泣けなかったこともある。


たぶん作り手が「ここで泣くのかい!」と思うところで

ひとりで泣いている自分だろうと思う。



何気ない描写を重ねているのに

その選ぶ言葉の言葉の洗練さで世にも美しい光景や

心象風景を紡ぎだし

じーんと泣けてくる話を書く作家がいる。

しかも受賞した作品よりも

うもれている作品の方がいい。


小川洋子さんの「人質の朗読会」は

文庫になってまだ半年くらいである。


文庫になってすぐに手に入れたのに

最近はカフェでも

ノートを開き

楽譜を見る生活だったため

鞄の中からあまり出てこられなかった。


髪を切ってもらうときに

読んでいて失敗したのは4月。


続きは

楽譜を忘れて入ってしまった

カフェで、今日。


淡々としているようで

どこまでも奥深くて読み終わっても

深さの中で泳いでしまう。


ひとつずつのまとまりの終わりには

全部泣いてしまう。

この魔法はいったいなんなのだろう。

「不思議」と思われる描写の中に

人が日常に持っていて表にはだせない

重荷を気づかせ軽くしようとするやさしさ。



万人が「泣ける!」という話ではない。

たまたま自分は感性指数がぴったりくるのだろう。