夏純文学 |  ろぜのポジ♪ブロ ~RAINBOW~

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基本笑顔、
基本ポジティヴ。
書くことでコントロールできる
こころのもちかた。

夏にしか読む気がおこらないものを読む。

三島を手に取った。


かつて村上春樹氏の人気作品を読んだときに

1ページに1つはすごいと思う比喩があったが

それすら三島の比ではない。

三島の文学は1行1行そのすべてが

文学している。

もう比喩ですらなく、そうとしか表現してはいけないから

そう書いたのだと思わせる。

まわりくどいと飽きてきたり分からなかったりする

ものだが三島の場合、その表現をすることによって

言葉でありながら読み手の脳の言語中枢ではない

ところに働きかけているような感じがするのである。

麻薬に酔うのはこんな感じなのではないだろうか。


三島が長く生きてなお文学を生み出していたら

人類をどこか別の方向へ向かわせることが

できたのではないかとさえ思う。


しかしその麻薬部分に酔っていると

内容の本質をいつまでもとらえられないという

凄い「わな」になっている。


ひょっとして真髄にたどりつけないように

しかけたわななのではないか?

だから自分は肝心な内容にはまったく

心を動かされず気味が悪いから

できればはやく終わってほしいとさえ

思っているのではないか?

それなのに一言一句ももらすことができず

苦しみつつ読み進めるのである、