この日!
と、みんなで決めているのか
街路樹は
今年も一斉に黄金の葉を散らした
~どこを走っても金金金…
~どこを走っても空は青青青…
という景色は去年と同じだ
そうしてそれが
毎年同じく
「ごく小さな嵐のようなさびしさ」を
巻き起こすのだ
毎年なので
こうなったらその日に無理矢理にでも
楽しい思い出を
つくったとしても
思い出は思い出で
思い出という言葉じたいがもう
「さびしさ魂」を持っているので
「ごく小さな嵐のようなさびしさ」が
「小さな嵐のようなさびしさ」になるだけのことだ
何年も
何十年も
公孫樹が黄金を青空にまき散らす
その日には同じ思いをし続けるのだ
たった1日であるが
それは待っているような
こないでほしいような
1日で
過ぎてしまえばまたもとどおりの
そうして楽しい冬が始まるということ