「ただいま」という声のする幸せ |  ろぜのポジ♪ブロ ~RAINBOW~

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基本笑顔、
基本ポジティヴ。
書くことでコントロールできる
こころのもちかた。

マンションにはたくさんの

ファミリーが暮らしている。

自分がエレベーターにのろうとした

ときちょうど1階のどこかの家で

お父さんが帰宅したらしく

「ただいま」という声がきこえてきた。

その遠くで聞こえたたったひとことで

「ただいまと父親が帰ってくる幸せ」を

持っていたころを思いだしてしまう。

そのただいまのトーンで、家の中にいる

子どもに向けられた声だとわかったからだ。

これ、前に教科書にのっていた

「きつねの窓」で

ふしぎな指の窓のなかに

子どもの頃のぼくの家が

見えたときの気持ちと同じだろうと

思った。


子どもの頃持っていた幸せは

何とささやかで

かけがえのないものだったことだろう。


いま努力で勝ち取ったり

壁を乗り越えてつかんだりした幸せも

それはすばらしいけれど

「ただいま」のような幸せは

作ることは難しくて勝ち取ることもできないんだ。


エレベーターが最上階につくまで

「きつねの窓」のききょう色にそまって

いるようなムードだったけれど

思い切って高いトーンの「ただいま」で

帰宅して今のくらしのカラーにとびこんでゆく。

ここにもきっと。