年をまたいで読んでいた本が
珍しく恋愛小説だった。
それとはしらずに購入したので
最初はこれはライトな感じだし無理だな~と思ったのに
途中から展開にひきこまれた。
というのは絶妙な「言葉」のやりとりに主眼をおいた
恋愛小説だったからであり、「言葉」で感情を
整理していったり表現していったりする自分には
受け入れやすいものだったからである。
「メール」とか「チャット」というものが小説に
出てきてしまうあたり、ライトな色合いにしてしまって
いるが、それもその「必要性」が遠距離などの
想像しやすいところに流れていないところは良かった。
最後の解説に
「テニスのラリー的な言葉の返し」で
展開していくとあったが
まさにその通りであった。
相手のこの言葉をこう読んで
こう反応するんだ!という恋愛は
なかなか小説では書かれにくい
形だったので新鮮だったのである。
普段の読書のように
胸にドンとくるものではなかったけれど
自分のように狭い世界で生きているものの
視野をひとまわり広げてくれる作品であった。