主人公の名前について~小説~ |  ろぜのポジ♪ブロ ~RAINBOW~

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主人公がずっと「ぼく」だったのに

途中で彼が手紙を書き置きすることで

急に名前がわかった。

それくらいで話の方は急展開しないのに

読み手としては扉が一気に開いた感じに

なるのが面白い。


主人公のキャラクターは

最初のページですでにつかまえられる

ことが多いが

同じく初期にわかるものとして

名前 性別  年齢 家族構成…などがある。

この初期に分かるハズのものを

あえて後ろに持っていく手法は

ときどきつかわれるが

…ときどきである。「このミス」かなんかで

一位になった作品の中にそのタイプのもの

があってまんまと騙された読みもあった。


それにしても

名前が急に途中でわかるのは

何だかしてやられて感じである。

今回読んだ作品では

主人公をとりまく先生やら級友やら親

の名前は次々でてきているだけに

四十数ぺージ目という初期段階でも

「急に 途中で」感があった。

しかもその漢字、名前としての読み方が

2種類あるので

完全にあかされない気がして

主人公はまだ完全にこっちにこないのである。

もう少しあとで「やっぱりこっちの読み方だったか」

と自然にわかるところがあるのである。


主人公の心が溶けていくのにあわせ

主人公の名前というものが同じペースで

読み手に流れて明かされていくのだ。

書き手はわざとそうしているのだろうか。

直感でやっているのだろうか。いずれにしても

絶妙な流れであった。


その手法で出てきた名前が

たまたま自分にとってインパクトのある名前であり、

(意味のある名前?知ってる人と同じで…

なんていったらいいのかな)

あまり小説なんかに出てこない名前だけに、

個人的に盛り上がってしまった。

そういうことって時々ある。


まだ自分の名前と同じ漢字同じ読み方の

主人公には出会わないけど

今回よんだ作品のような佳作で使われたら

盛り上がるなあ。

悪い役だったら絶対に知りたくないけど…。