ディフェンス編、過去2回ではまとめてDB(ディフェンスバック)と呼ばれる2つのポジション、CB(コーナーバック)とS(セイフティ)を紹介しました。
・アイシールド21に学ぶアメフト 第7回 ポジションを知る!ディフェンス CB編
・アイシールド21に学ぶアメフト 第8回 ポジションを知る!ディフェンス S編
今回は、守備の最前列にいるDL(ディフェンスライン)を紹介していきたいと思います!
ディフェンス(守備)編
DL(ディフェンスライン)
ディフェンスラインは、相手の巨漢 OL(オフェンスライン) と直接対峙するということもあり、デッカくて太マッチョな男たちがつとめるポジションですwww
アイシールド21ではオフェンスではOL、ディフェンスではDLと、兼任する選手も多いので判別は付けづらいですが、王城ホワイトナイツの大田原(#60)や、巨深ポセイドンの水町(#71)は特に守備での活躍が光っている場面が多いので彼らが分かりやすいDLの例かと思います。
では、今回もWikipediaの アメリカンフットボールのポジション から引っ張ってきた図でDLのプレー開始時の位置を確認してみることにします!
※ここで注意点!
アメフトのディフェンスのフォーメーションには、ざっくりと大きく分けるならば3-4ディフェンスと4-3ディフェンスの2つに分類することができます。
これは複雑なことではなく、
4-3
=DL4人、LB(ラインバッカー)3人 の守備体型
3-4
=DL3人、LB(ラインバッカー)4人 の守備体型
という、DLとLB(ラインバッカー)の人数の違いによって分けているだけです。
但しこの違いでちょっとずつ選手たちの役割が変わります。
今回は「アイシールド21に学ぶアメフト」なので、アイシールド21に登場するチームのほぼ全てのチームが採用している4-3守備でのDLの役割を中心に紹介していきます!
※『アイシールド21 公式データブック 超選手列伝 BALLERS HIGH』によると、守備の基本体型を3-4にしているのは神龍寺ナーガだけでした!
![](https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fecx.images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F41RK5AQMNFL._SL160_.jpg)
※最近は試合中でも 4-3体型 と 3-4体型 を場面によって巧みに使い分ける「ハイブリッド」と呼ばれる守備のやり方も流行ってます。
[参考]
時代は3-4守備へ、ディフェンス派閥争いも今季の見所 [生沢 浩]
(NFL JAPAN.COM コラム より)
さて、では 4-3守備 でのDLについて話していきたいと思います。
もう一度上記の4-3守備の図も参照しながら見て頂きたいのですが、DLの中でも、真ん中に位置する2人の選手がDT(ディフェンスタックル)、両外側に位置する2人の選手がDE(ディフェンスエンド)という風にDLの中でもまた少し役割分業がなされています!
まず真ん中に位置するDT(ディフェンスタックル)。
この位置にいる選手は特に相手のOLとの押し合い圧し合いを担当する役割で、パワーが求められます。
特に相手オフェンスがランプレーをする時にはここの中央での押し合いに打ち勝つか、もしくは押し切られないようにしなければなりません。
もしこのDTが簡単に破られてしまうようだと真ん中にポッカリと穴が開いて相手のRB(ランニングバック)がズコーンと真ん中から走り抜けてしまいます(;゚Д゚)
なのでこの中央のDT2人は、まずランの時にしっかり壁を作って相手のボールを持った選手が抜けれるような穴を作らないこと、というのが大事。
もちろんパスプレーの時に中央からDTがOLを押し込んで割って入ることが出来れば、相手のパスの投げ手であるQB(クォーターバック)にキョ-レツなプレッシャーをかけることができ、パスを阻止することも可能なので、相手の攻撃であるランでもパスでも潰してしまうにはDTを強くしてしまうのがある意味で一番手っ取り早いかもしれません。
「アイシールド21」、王城の大田原や巨深の水町もDTをつとめています。
まず大田原の場合、
アイシールド21:第2巻14話「DEVIL MAGICIAN」
で見せたような、パワーとスピードを活かした突破力でOLをはねのけ、ランもパスも早い段階で潰せるという強みがあります。
水町の場合は
アイシールド21:第14巻117話「進化の天才」
で見せたような、高身長と「スイム」というテクニックを活かしてOLをかわし、長いリーチを活かしてプレーを崩せるという強みがあります。
NFL(米国プロアメフトリーグ)「タンパベイ・バッカニアーズ」所属のDT、ジェラルド・マッコイ(#93)のYouTube動画がいかにもDTらしかったのではっときます!
そして、両外側に位置するDE(ディフェンスエンド)の役割も簡単に紹介しておきましょう。
DEは主に外側にくる相手のランプレーを止める=外側に走路を作らせないことと、相手のパスプレーの時にパスの投げ手であるQBを直接潰しにかかったりプレッシャーをかけること、この2つの仕事を担います。
もちろんパワーは大事ですが、DEの場合はスピードが最も重視されるといっても過言ではないと思います。
外側にくる早いランプレーに対してはプレーを見極める能力もそうだし、スピードを活かして先回りして相手に進む道を与えないことが大事です。
もし1歩でも遅れてしまえば大外をまわられてしまって一気にロングゲインを与えてしまいますから、この辺の対応スピードは求められます。
さらに相手のパスプレーに対しては早く相手のQBにプレッシャーを与えに行かないとキャッチボール感覚で簡単にパスを通されてしまう上に、レシーバーに奥まで走る時間を与えてしまうことにもなるのでおのずとロングパスをされてしまう可能性も高くなってしまいます。
そうならないためにも出来る限り早い時間でQBまで到達しなければなりません。
もちろん外側には相手のOL(特に外側のT=タックル)の選手もいるのでそれをかわしていかないといけません。
この時大事なことは、押し勝つという方法で相手OLを倒してQBまで行くと言うのもいいのですが、そうこうしてる間にパスを通されてしまう可能性があるので出来たらOLは避けてQBまで到達したい。
やはりそうなってくるとスピードとテクニックを駆使することも大事になってきますね。
「アイシールド21」ではあまりそういったDEらしさを見せてくれる場面は少なかったですが、泥門デビルバッツの小結(#55)や西武ワイルドガンマンズのバッファロー牛島(#94)なんかがDEです。
小結は身長の面でどうしても中央の対決は不利になってしまうので、スピードと小回りを活かせるDEのほうが確かにあっているのかもしれません。
NFLの歴史の中でも多くのスター選手を輩出してきたのがDEというポジションです!
昨年まで「ミネソタ・バイキングス」、今季から「シカゴ・ベアーズ」所属のジャレッド・アレン(#69)の動画をはっておきます(=゚ω゚)ノ
さて、ここまで「アイシールド21」の守備体型にも多い4-3守備でのDLの役割を紹介してきました。
最後に、神龍寺ナーガの3-4守備でのDL選手の役割もちょこっとだけ紹介しておきます。
まず3人のDLのど真ん中に位置するのがNT(ノーズタックル)。
2人で担当してたはずの真ん中部分を一人でやるわけなので、ここは相当体重があってパワーのある選手が求められます。
日本では「NTには漬物石のような選手が欲しい」とかもよく言われる表現です(笑)
「アイシールド21」、神龍寺ナーガのNTは山伏先輩(#59)。
巨漢かつ体重・パワー・テクニックのある山伏先輩はなかなか相手のOLにコントロールされることがないでしょうから、神龍寺の守備全体を安定させ落ち着けることができる、と言ってもいいのではないでしょうか。
そしてNTの両脇にはDEの選手がいるわけですが、3-4守備でのDEは4-3守備のDTのような役割が中心になります。
なぜなら3-4体型では後ろのLBが幅広ーくランもパスも守ってくれるし、QBに対してプレッシャーをかけにいく役割も主にOLB(アウトサイドラインバッカ―)がやってくれるので、中での押し合い圧し合いに集中して相手の攻撃を崩せるのです!
というわけで、今回はDL(ディフェンスライン)を紹介しました!
次回はディフェンス編のラスト、いよいよ
王城の進清十郎・巨深の筧駿・神龍寺の阿含(守備時)
ら、セナのライバル選手たちが多く揃うLB(ラインバッカー)の紹介です!!