アイシールド21に学ぶアメフト 第6回 ポジションを知る！オフェンス ＯＬ編

早いもので、明日から5月ですね！
僕の通う大学ではそんなにゴールデンな休暇も無いので、バタバタした日々を過ごしております（笑）
そうこうしてる間に春の国内アメフトシーズンが始まりました！
あくまでも本番は秋ですけれども、学生も社会人もどういうチームを作り上げていくのか？
そのプロセスとして、春の試合もおおいに楽しんでいきたいと思います。


さて、今日はこのシリーズのオフェンスのポジション紹介としては残る一つ、オフェンスラインの紹介をしたいと思います！

（過去4回ではその他の攻撃ポジションのＲＢ、ＱＢ、ＷＲ、ＴＥを紹介しました。）
・ アイシールド21に学ぶアメフト　第2回 ポジションを知る！ オフェンス RB編 
・ アイシールド21に学ぶアメフト　第3回　ポジションを知る！オフェンス QB編
・ アイシールド21に学ぶアメフト　第4回　ポジションを知る！オフェンス WR編
・ アイシールド21に学ぶアメフト　第5回　ポジションを知る！オフェンス ＴＥ編

オフェンス(攻撃)編
ＯＬ(オフェンスライン)

アイシールド２１に登場するラインの選手と言えば、泥門の初期メンバー栗田や、ハイパー怪力男ガオウ、スピード型の大田原などけっこう個性派揃いな面々で面白いですｗｗｗ

ラインの選手というのは普段は目立たないです。
なのでその重要性が分からないよ～、って試合を観ていて思うことがあるかもしれませんが、実はめちゃくちゃ大事です。


アイシールド21：第５巻４０話「闘えラインマン」でも、蛭魔が
「おう　ライン組死ぬほど鍛えろよ！勝負の半分は壁（ライン）で決まんだぞ‼」
と、ライン組にハッパをかけていますが、まさにその通りです。


何故か？
まず　ランプレー　の時を考えて見ましょう。

もちろんボールを持って走るのはラインの選手ではなく、主にＲＢ（ランニングバック）です。
（プレーによってはＷＲ：ワイドレシーバーやＱＢ：クォーターバックが走ることもありますがまれです）

だったら走る選手がすごいヤツだったら進めるだろう、と思うかもしれませんがこれがそうもいかない。
どんなにすごいＲＢでも、進むスペースがまったくなかったらゲインすることなんかできません。
あっちもこっちもテキだらけ、という状況ではＲＢ１人ではほぼどうすることもできない。
ではどうするか。

そのためにＯＬ陣がいます！
このＯＬの選手たちがＲＢが走れるスペースを作る役割を担います。
相手を押しのけたり、身体をいれてブロックしたり、ＲＢを先導して進むスペースをガツッ、ガツッとあけていきます。
そこをＲＢが駆け抜けることで、前に進むことができるのです。
もしＯＬが弱かったらゲインするどころか下げられてしまう（ロスしてしまう）ことにもなりかねないし、勝負にならないです。
なので、ランプレーでロングゲインした時は必ずと言っていいほど、ＯＬのいいブロックがあるのです。

これを簡潔に説明したものが、同じくアイシールドの５巻４０話の冒頭で栗田が言っている
「走（ラン）の時は前に出て道こじあけるの」
という言葉になります。




では次に　パスプレー　の時を考えてみましょう。

いやいやぁパスだったら投げ手のＱＢと受け手のＷＲがしっかりしてたら問題ないでしょうよー、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実はパスでもＯＬが超大事なんです。

なぜかと言えば、パスをするにしても投げるまで少し時間が必要になってきます。
レシーバーがパスコースに出て、相手にカバーされていない確実なところをＱＢが見つけて、そこにパスを投げる。
この一連の流れは試合を観ていれば確かに一瞬なんですが、もしＯＬがいなかったらこの一瞬の間にパスを投げる前に、えらいことがおこっちゃいます。
そのえらいことというのは、
パスを投げる前にＱＢが相手の守備選手にタックルされて、プレーが終わっちゃうということです。
どんなにいいＱＢとレシーバーがいたとしても、投げる前に潰してしまえばおしまいですからね（笑）
この投げる前に守備側の選手が投げ手のＱＢを潰してしまうことを「ＱＢサック」といいます。

ＯＬが弱すぎたらＱＢが潰されまくって、試合にならないでしょうね。。（笑）
それこそ相手の守備にガオウみたいなえげつないヤツがいたら、
アイシールド21：第２８巻２４５話「夢ひとひら」
でキッドさんがやられたみたいにエースＱＢが大けがさせられてチームそのものが成り立たなくなってしまうこともあります。
そう考えると本当にラインの選手って大事だなぁと思いますね。
ＱＢを守ってあげられるかというのは試合のカギを握ります。

これを簡潔に説明したものが、アイシールドの５巻４０話の冒頭で述べられている、
栗田「パスの時は後ろに下がって投げ手を守るの」
セナ「だって…壁（ライン）がスカスカじゃ何もできないし」
ということになります。


お気付きかもしれませんが、攻撃のラインというのは日本語で言い換えたらまさに



壁

と言えるでしょうね（笑）
非常に重要なポジションです。
そしてですね、ラインの選手というのはフィールド上に５人いるんですが、ひとくくりにＯＬとは呼んでいますけども本当はその中でも
Ｃ（センター）・Ｇ（ガード）・Ｔ（タックル）の3つのポジションがありますのでご紹介しておきます。
ややこしいからもう全部あわせてＯＬでいいやｗｗｗ
という方はもうここから下はムシしといて頂いて大丈夫です（笑）
（今回もWikipediaの アメリカンフットボールのポジション から画像を拝借）


まず　Ｃ（センター）

どーんとど真ん中にいるのがセンターです。
文字通りですね（笑）
泥門で言うと栗田さんのポジションがセンター。
センターだけはラインの選手の中でも特殊な仕事があります。
プレー開始の時、一番最初にボールを持っている選手というのが実はセンターです。
このボールがバックフィールドにいるＱＢかＲＢの位置にいる選手に渡ったところでプレーがスタートします。
言葉では伝わりにくいので動画もはっときますね（笑）


こんな感じです。
この最初のスナップの時にセンターがボールを受け渡す以外は、ＯＬの選手は基本的にはボールに触ってはいけないことになっています。
まさに縁の下の力持ちに徹する感じですね！

そして、センターはプレー開始前にも仕事があります。
それは相手守備の陣形や守備選手の位置どりなどを見て「お前はこっちをブロックしろよ！そいつは俺がやるから君はこっちの道をあけてね！」とかいう風にＯＬ全員に指示を出すことです。
これがけっこう難しいことでして、ＱＢと同じくらい戦術を理解しとかないといけない部分だと思われます。
センターってけっこう大変。

Ｇ（ガード）

ＯＧというのはオフェンスガードの略です。
向かって左側のガードの選手のことをＬＧ（レフトガード）、
向かって右側のガードの選手のことをＲＧ（ライトガード）、
と呼んで区別しています。
泥門で言うと　ＬＧ：小結、ＲＧ：黒木　という風になってます。
ガードの選手は右に左にと動き回ってランブロックをすることが多かったり、センターやタックルの選手と連携してパスプロテクション（パスを投げるまでの間ＱＢを守ること）をすることが多いです。
ＯＬの５人はユニットとして動くので、連携は鍵になります。
そう考えるとこのガードの選手たちが両サイドのセンターやガードとコミュニケーションをとることは重要ですね。

Ｔ（タックル）

ＯＴというのはオフェンスタックルの略です。
向かって左側のタックルの選手のことをＬＴ（レフトタックル）、
向かって右側のタックルの選手のことをＲＴ（ライトタックル）、
と呼んで区別しています。
泥門で言うと　ＬＴ：戸叶、ＲＴ：十文字　という風になってます。

実は、ＮＦＬ（米プロフットボールリーグ）ではオフェンスラインの選手の中でも、ＬＴが一番お給料が高いんです！！
なんでかと言いますと、右利きのＱＢから見て左側というのはちょうど死角になるんです。
こちらの動画↓のＱＢの動きを見て頂いてもわかるように、右利きＱＢは身体が右を向いているため、左側は見えにくくなってしまうんです。


なので左側や左後方から相手の選手が近付いてきていても気付けないことが多く、左から来た相手選手にボールを叩き落とされたり、ひどい場合は強烈なヒットをくらって引退に追い込まれる怪我をさせられてしまうこともあるんです。
しかも相手の守備はそれをよくわかっているから、攻撃から見て左側に最も強い守備のラインの選手を置いて、強烈にＱＢに突っ込ませるんですね～。
そういうことがあるので、ＬＴの選手は全力でＱＢの死角、左サイドの外側を守る役割を担わないといけない。
相手守備の一番のゴリゴリ男と対峙するがゆえに、一番優秀なラインの選手にやらせないといけない、結果お給料もＵＰ！！と、そういう理由になっております（笑）
泥門で一番優秀な選手は戸叶なのかも！？ｗｗｗ
（といいながらも、アイシールドではあんまり死角の左サイドに守備側は強烈な選手を配置してこないのでこの点に関してはあんまり参考にならないですね（笑））


というのがオフェンスラインの説明でした！
試合の時は反則した時くらいしか目立たなくてすごい「困った」ポジションなのですが（笑）、実はＯＬがすごい大事なんだよーっていうのがご理解いただけたら嬉しいです。
けっこうリプレー映像とか流れた時にラインに注目してみると「あーこのブロックのおかげで今ランがゲインしたんだ」「なるほど、こいつが相手を止めといてＱＢに時間ができたからパスきまったんだ」っていうのが分かって面白いですよ！