2024年7月8日夏の甲子園地区予選ベスト10(6) | ロロモ文庫

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10位は神奈川大会1回戦の小田原城北工対霧が丘で、単独チームとして出場する最後の大会で小田原城北工が執念の白星を挙げました。6対4と2点リードの九回1死一、二塁。2年生エースの田崎が「自分が駄目でも野手が守ってくれる」と腕を振り、左飛から併殺プレーを完成させると、部員13人で校歌を高らかに歌いました。2年後に大井との統合を控え、秋からは合同チームになり、地元の中学にも呼び掛け、春には1年生7人が入部。最後の夏に向けてチーム一丸で絆を強めてきました。松尾駿哉監督は「今までなら勝ち切れなかった試合。気持ちで全員が一つになれたからこその勝利」とコメントしたわけです。

9位は東東京大会2回戦の大崎対目黒で、七回裏、7点を追う目黒。この回で点を取らなければコールド負けになり、主将で4番の小倉周大は「みんなを引っ張る自分が後ろにつながないと」と、意気込んで打席に立ち、真ん中に来たスライダーを捉えると、打球は左越え二塁打に。後続のスクイズなどで本塁にかえり、コールドを阻みました。小倉は三回表、遊ゴロをうまく処理できず、同点に追いつかれ、試合の流れを与え、その後、チームは逆転されました。「自分のエラーでチームに迷惑をかけた」チームは7対12で負け、加藤春彦監督は試合後「最後までバットで取り返そうとしていた。チームに力を与えてくれた」と小倉をねぎらったわけです。

8位は京都大会2回戦の同志社対木津で、第1回の地方大会から出場を続ける「皆勤15校」の一つである同志社が延長11回タイブレークの末に5対2で勝利し、2年ぶりの初戦突破を決めました。同点の11回2死三塁で主将の6番・清水悠生が左翼を越す決勝の勝ち越し二塁打を放ち、「大会前まで調子が悪くて悩んでいた。もう好きに振ろうと思った」とすがすがしい表情を見せたわけです。 

7位は神奈川大会1回戦の横須賀工対神奈川工で、横須賀工が神奈川工に10対7で打ち勝ちました。攻守で躍動した4番竹内悠人捕手は3安打2打点で4得点。守備では2投手を巧みにリード。攻守で初戦突破のキーマンとなりました。横須賀工は男子生徒が9割近くを占める工業高校で、実習は週に4回行われ、特に人気の授業が「旋盤実習」で、鉄を切るなど危険な作業がともなうため、作業服を着て、鉄の入った頑丈な安全靴を履き、保護グラスを着用した安全第一の格好で行い、部品を作る過程で40ミリの鉄を20ミリに削る作業は、特に集中力が必要となります。「20ミリって2センチだけじゃんって思うかもしれないんですけど、工業の中だったら結構、大きい数字で。これで集中力が養われ、野球にもつながっています」と竹内はコメント。昨夏の初戦は4安打に終わり、1対8で麻溝台に敗れましたが、今夏は両チーム2桁安打の乱打戦を制し、2019年以来の初戦突破となったわけです。

6位は滋賀大会1回戦の虎姫対石山で、8点を追う六回裏、1死一、二塁の好機で石山の丹波祥雅選手が代打に送られました。丹波は2年前にひじをけがし、復帰後の昨年3月には、練習試合でひざの前十字靱帯を断裂し、手術をして約1カ月入院し、バッティングができるようになったのは今年1月ごろで、医師から試合出場の許可が出たのは6月。これまでの県大会でもベンチ入りしましたが、座っているだけでしたが、ベンチには欠かせない選手で「チームを盛り上げてくれる存在」と阪口陽主将はコメント。この日の代打には、藤居秀監督が「流れを変えてほしい」と期待を込め、打席に立った丹波選手は6球粘りましたが、ライトフライに打ち取られました。チームは5対9で敗れましたが、「でかい応援がうれしかった。最後に出られてよかった」と丹波はコメントしたわけです。

5位は長野大会2回戦の小諸商対諏訪清陵で、最速140キロ台中盤の速球を持つ諏訪清陵の岩井柊弥は大会注目の右腕ですが、この日は序盤から思うような制球がきかず、自らの本塁打などでチームは一時、4点差までリードを広げますが、五回に安打と死球で満塁とされると、走者一掃の二塁打で追いつかれ、その後も連打を浴び、この回だけで7失点と小諸商打線につかまりました。4対9で敗れ、試合後に「みんなが取ってくれた点だった。守り切れなかった。技術も流れの怖さも学べた。この経験をバネにしたい」と岩井は誓ったわけです。

4位は滋賀大会1回戦の光泉カトリック対八幡工で、3回までに6点のリードを奪った光泉カトリックが6対1で勝利。秋にサヨナラ負けした相手にリベンジを果たしました。 光泉カトリックは2019年夏に準優勝の実績を持つ古澤和樹監督がこの春から4年ぶりに復帰。1回表に「僕の思っていることを体現してくれる」と古澤監督が評価する福田圭介、橋本悠希の1、2番コンビの連打でチャンスを作ると、一死満塁から5番・中野 智仁の左前2点適時打で先制。2回表にも一死二、三塁から橋本のセーフティスクイズで1点を加え、3回表には福田の2点適時打などで3点を追加。序盤で試合の主導権を握ることに成功。4回以降は追加点を奪えなませんでしたが、スライダーが武器の左腕・浦川世雅と伸びのあるストレートを投げる右腕・永田巧樹の継投で相手の反撃を1点に抑えました。光泉カトリックは2回戦では2021年、2022年の準優勝校である立命館守山と対戦。3安打22打点で勝利に貢献した福田は「初回からどんどん振りにいって、相手にプレッシャーをかけにいきたいです」と意気込んだわけです。

3位は福岡大会3回戦の九産大九州対筑前で、九産大九州のエース・浜崎京介が7回4安打1失点。8対1で勝ったチームを4回戦進出に導きました。「それまでひねる感じで投げていたけど、手首を固めて力を抜いて投げた方がいい」昨冬、母校を激励に訪れたソフトバンク・大津のカーブの投げ方を参考にしました。志免中央小、九産大九州と直系の先輩は「とにかく粘り強く投げる」と憧れの対象。「打者に絞らせず、いい投球ができた。初戦よりいいボールでした」と浜崎は好調を感じているわけです。

2位は神奈川大会1回戦の秦野対麻布大付で、 麻布大付の「1番・中堅」として出場した秋本晄太郎が、5点を追う6回無死一塁から中前打。勢いづいた打線は3点を奪いました。終盤に再び突き放されて3対9で敗れましたが、「やりきった」と秋本は胸を張りました。父・健太郎さんは消化管間質腫瘍と呼ばれる希少がんを患い、4年前に44歳の若さで帰らぬ人となりました。少年野球チームでコーチを務めるなど、二人三脚で歩んできた父との別れに、直後は野球を続けるか否かで悩んだが、「ここでやめたら怒られる」と腹をくくりました。対戦相手はくしくも、健太郎さんの母校である秦野。センター返しでの安打は、父の教えを忠実に守ったからこそ打てたもので「お父さんのおかげ。今日は褒めてくれると思う」と秋本はコメントしたわけです。

1位は福岡大会3回戦の福岡第一対久留米学園で、福岡第一のプロ注目147キロ右腕・前田明慶は6点リードの6回に4番手で登板し、5球団のスカウトが見守る前で2回完全。5者連続三振も奪いました。「軸をしっかり、バランスよく投げることを意識しています」右肘痛に苦しみ、投球練習を再開したのは今年6月で、背番号1は最速146キロの三谷力斗が付け、調整途上の前田は背番号17。「ケガ明けなのでできるだけ無理をしない」福岡第一が最後に甲子園に出場したのは昭和最後の1988年夏。左腕・前田幸長を擁し、準優勝した試合は「YouTubeでよく見ます」と前田はコメント。36年ぶりの聖地へ向けては「自分たちの代で行きたいプライドはある」と元号が一つ飛んだ令和のエース・前田は力強く、夏の頂点を誓ったわけです。