2024年7月6日夏の甲子園地区予選ベスト10(1) | ロロモ文庫

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10位は熊本大会1回戦の芦北対玉名工で、1点を追う九回裏、1死走者なしで玉名工の8番打者、富川太智が右打席に入ると、ベンチやスタンドから大きな声援が聞こえました。「自分だけの打席じゃない。みんなの思いが寄せられた打席だ」3球目を振り切り、内野ゴロに終わったが一塁ベースを全力で駆け抜けました。「主将でも副主将でもないが、うちを引っ張ってくれる」と手嶋栄二監督が信頼を寄せる選手。「みんなで強くなっていったチーム。もっと試合がしたかった」試合は4対5で敗れ、富川は声を詰まらせたわけです。

9位は福岡大会2回戦の筑前対西南学院で、西南学院の戦いを、観客席でメモを取りながら見つめる部員がいました。「データアナリスト」の福島遼大で、味方の投手の球速や打撃フォームから、相手チームの特徴まで。映像やデータで分析し、チームに共有。データのおかげで勝てた」との選手の言葉がうれし、この日は1対4で敗れましたが、次の試合に役立つと信じ、データを取ったわけです。

8位は広島大会1回戦の賀茂対福山工で、広島大会の開幕試合で試合開始を告げるサイレンの余韻が残る中、先頭打者の福山工・神原侑喜が、初球を左翼席にたたき込みました。完璧な当たりに、引っ張られた打球はぐんぐんと伸びていき、二塁を回ると、大はしゃぎのベンチとスタンドが見えました。「やっちゃったな、俺」試合は延長タイブレークの末に3対4で敗れましたが、表情に曇りはなく「バットを振り続けた成果が出て、幸せです」とコメントしたわけです。

7位は京都大会1回戦の立命館対東稜で、東稜は昨夏4強の立命館を相手に先発右腕・中村天空投手が力投し、5回1失点の好内容でしたが、6回一死二塁で立命館・6番松渕琉生に適時三塁打を打たれ、本塁ベースカバーに入ったところで右足に異常が出ました。「足がつってしまって。治療してもらって投げられると思って、もう一度マウンドに立ったのですが、ダメでした。ランナーを残して溝口につないでしまったのは申し訳なかった」中村が降板後、立命館に5失点して0対7で8回コールド負け。中村は「僕は2年なんで、来年リベンジしてみせます」と逆襲を誓ったわけです。

6位は福岡大会3回戦の福岡大若葉対九州産で、創部6年目の福岡大若葉が夏の大会で初めてシード校を撃破して、夏3度目の4回戦に進出。8回に3対3の同点に追いつくと、延長10回タイブレークに一気4得点。九州産の反撃を1点差で逃げ切り、歴史を塗り替えました。10回裏、九州産の反撃に遭い1点差に詰め寄られましたが、3回途中から3番手でロングリリーフの井上幸輝投手が、7回1/3を122球の粘投。最後の打者を自信のある直球で空振り三振に打ち取り締めたわけです。

5位は鳥取大会1回戦の米子工対米子で、鳥取大会開幕試合は親子監督対決が実現し、米子の井畑佑太監督は、米子工の井畑浩次監督の長男。就任2年目の佑太監督に対し、浩次監督は1988年以来、米子東や米子西で監督を歴任し、甲子園の土も踏んでいる大ベテラン。試合は七回まで、米子の精山、米子工の野口の両投手の粘投で1点を争う緊迫した展開となりましたが米子は精山投手が足がつるアクシデントに見舞われ、八回に降板し、救援が打ち込まれ5対10で敗戦。佑太監督は「ミスも出たが、みんなでカバーしあった。自分たちで考えて、最後までやりきってくれました」と選手の奮闘をたたえ、浩次監督は「積極的な攻撃を仕掛けられた。見事でしたよ」と笑顔で称賛したわけです。

4位は滋賀大会1回戦の立命館守山対彦根工で、滋賀大会開幕ゲームは、2022年準Vの立命館守山が10対0で5回コールド勝ち。「5番・投手」で先発した杉本倫太郎投手が二刀流の働きっぷりを示した。投げては2回を無失点で、打席では1対0の初回に、左越え適時打で追加点を挙げました。「自分のウリは積極性。初球のストライクや甘く入ったら、強く振ることを心がけます」1年春からベンチに入りし、同年夏には決勝に上り詰めて登板し、聖地まであと1歩という苦い思い出を味わい「3度目で最後の夏。絶対甲子園に行きたいんで、後悔ないように自分のできる全力のプレーで」と思いを誓ったわけです。

3位は福岡大会3回戦の福岡工大城東対大牟田で、昨夏の福岡大会4強で、今春の福岡県大会でも準優勝していたシード大牟田が1対6で敗れ、3回戦で涙をのみました。大会屈指の好投手、境利月を擁し、夏の甲子園初出場を目指しましたが、福岡工大城東に二、五、七回に2点ずつを奪われ、計6失点。七回に1点をかえしましたが、追いつけなかったわけです。

2位は三重大会1回戦の尾鷲対いなべ総合で、いなべ総合は5対8で敗れ、2年連続の夏の甲子園出場はなりませんでした。いなべ総合は一回に2点の先制を許し、二回に同点に追いつき、七回に2点を勝ち越しますが、直後の八回に追いつかれ、九回に4点を奪われた。九回の最後の攻撃は1点を返しましたが、及びませんでした。いなべ総合は昨夏、2016年以来3度目の全国選手権で、初戦で沖縄尚学に敗れ、今春の県大会では3回戦で津田学園に敗れて8強入りできず、三重大会にはノーシードで臨んでいたわけです。

1位は兵庫大会1回戦の神港学園対北条で、春夏通算8度の甲子園出場を誇り、今年で学校創立100周年を迎えた県内屈指の強豪・神港学園が4対0で快勝発進。昨秋は県大会3回戦で、同近畿大会8強まで勝ち上がった須磨翔風に0対1で惜敗。今春は神戸地区大会Hブロック代表決定戦で育英に3対6で敗れ、県大会に駒を進めることができず、ノーシードで迎えた夏の初戦から、投打の歯車がかみ合いました。3回、1死一、三塁から2番・荒木颯太のバントによる適時内野安打で先制。さらに相手ミスで追加点を挙げると、なおも2死三塁から今4番・加藤壱星主将が左越え適時二塁打を放ち、相手ミスでもう1点を追加し、一挙4得点。投げては、背番号17の先発・寺田逸太が8回無失点。12三振を奪い、北条打線に反撃の隙を与えず、9回は背番号1の前田凌志が3人で締めくくり、零封リレーを完成させました。学校は1925年3月に私立神港中として創立され、今年で節目の創立100周年。2018年春から指揮を執る同校OBの北原直也監督は「去年の秋に負けて、春に負けて、バットも変わって……なんとか攻撃力を、というのを課題に置いてやってきました。長打ももちろんですが、ああいう足を絡めたりとかも、春以降、ウチのチームが夏に勝ち上がるには絶対に必要ということでやってきたこと。それが、あの回に集約された。もうちょっと点を取って楽な試合展開にしたかったですけど、ああいう形が夏の大会の初戦でできたというのは、また今後につながるかなと思います」と言葉に力をこめたわけです。