作:雁屋哲、画:花咲アキラ「美味しんぼ(659)」 | ロロモ文庫

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和洋中混淆料理自慢大会

「東西新聞文化部恒例の料理自慢。今回は恒例和洋中混淆料理だ」「まず俺だ」「あら、ビーフシチュー」「スプーンと箸で食べろということはこれで何か和洋混淆になってるの」「あ、シチューの中にうどんが」「俺はビーフシチューにご飯を入れて食べるのが好きだ。で、ご飯が合うならうどんだって合うと思って試したら、これがどんぴしゃりだった」「ぬう、うどんにシチューの味がしみこんで、こってりとしたいい味だ」

「では、わしは珍味を御馳走しよう」「はて?これはカツオの塩辛。これのどこが混淆だ」「ぬ。塩辛に何か混ざってる。この濃厚な味はチーズや」「さよう、カツオの塩辛にイタリアのチーズ、パルミジャーノ・レッジャーノを下したものを混ぜたのじゃ。混ぜてから一週間寝かせると、味が落ち着いて深みのある味になる」「これは酒の肴に最高の珍味だ」

「私はご飯のおかずだ。私は塩鮭が大好物。だが時に焼いたのが残ってしまうことがある。そこで残って冷たくなったものを美味しく食べる方法として考え出したのがこれだ。焼いた塩鮭の身をほぐし、マヨネーズで和え、白ごまをすったもの、青ジソの糸切りを練り込み、これをご飯と一緒に食べる」「ぬ。鮭のとがった味が丸く豊かになった。ごま、青じそ、塩鮭という和風の味がマヨネーズと合うことで味の性格が柔らかになった」

「俺はスパゲッティを食べてもらう。このソースは中華料理のジャージャー麵から思いついたももで、ネギ、ニラ、ニンニク、シイタケのみじん切りをを豚のひき肉と一緒にゴマ油で炒めて、酒でといた八丁味噌であわせた」「むう、中華とイタリア料理の混淆か。ゴマ油と肉とネギ、ニンニクの味は強いは、味噌のせいかくどさを感じない」

「わしのいたずらにつきあってもらうで」「これはミートパイみたい」「ぬ、パイの中にはいってるのはウナギのかば焼きだ」「さよう。ウナギの蒲焼を小口に切って、パイ皮に包んで焼いたんや、このパイ皮の香ばしさとウナギの風味がよく合うやろ」「パイ皮がウナギのとろりとした味を吸って、鴨の皮みたいなこくのある味になっとる」

「私は思い切り贅沢しました」「ぬ、フカヒレの姿煮丼だ」「フカヒレは中華料理の正統的な調理法で調理しました。フカヒレ自体は味がないので、最高の鶏と中華ハムで取ったダシをたっぷり吸わせました」「フカヒレのゼラチン質の感触とご飯の感触の取り合わせが快感」

「ここらで甘いものはどうだ。アイスクリーム2種とケーキだ。バニラアイスに柔らかめの小豆のこし餡をかけたもの。抹茶羊羹を細かな角切りにしたものを練り込んだアイスクリーム。そしてスポンジケーキで薄切りの小豆の羊羹をはさんだもの。日本人にとって甘いものと言えば餡だ。その餡の味を西洋の味と合わせた」「デザートとして最高よ」「ということで次回の東西新聞文化部恒例の料理自慢もよろしく」