作:雁屋哲、画:花咲アキラ「美味しんぼ(638)」 | ロロモ文庫

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日本全県味巡り大分編(3)

大分名産の豊後牛を食べる山岡たち。「ぬ。この火の通し方は見事だ。中は生みたいだが、ちゃんと熱が通っているから肉の美味しさが活性化している」「味は濃厚でコクはあるのに、とても瑞々しい後味でいくらでも食べられる」「まずいい豊後牛が必要だ。良い血統の仔牛を念入りに育てて10か月ほどで肥育場に入れ、そこで28か月ほど肥育する」「オーストラリアでは一年くらいだから、それより2倍の時間をかけて肥育するんだな」

「豊後牛のロースの部分を塩胡椒して、ニンニクをすりこみ、その肉をフライパンでソテーする」「ぬ。普通の料理法だ」「その肉を防水のプラスチックの袋に入れ、60度の温泉の源泉につける」「ぬう。温泉源の熱を調理に用いるのか」「60度の温泉に20分つけて、ソテーして出来上がりだ」「ぬう。低温でじっくりと調理することになるわけだ」

白ダツとモロッコ豆の胡麻クリーム和えを食べる山岡たち。「白ダツとはずいきのことだ」「ぬ。柔らかいインゲン豆みたいだ。豆の香りも甘みが強い」「ぬう、このあと何が出る」「鯉の皮、鰻の肝、スッポンの縁側、地鶏の皮を一緒にあわせた皮づくし」「ぬ」「スッポン鍋」「ぬう」「アブラメという魚のから揚げをシソ塩で」「ぬうう」

伝統的な吉野の鶏めしを食べる山岡たち。「鍋に鶏の脂を入れて、ニンニクをひとつまみ。鶏肉を入れて白くなるまで炒める。そこんいささがきゴボウを入れ、砂糖、醤油、酒を入れて煮込む。この具を炊きあがったご飯の中に入れ、15分ほど蒸らす」「ぬう。単純素朴だけど懐かしい味だ」「最近の人はニンジンだのシイタケだのを入れたがるが。それじゃ吉野の鶏めしとは言えない」

こねりを食べる山岡たち。「鍋に油をひいて、頭を取ったイリコを炒める。そこに苦瓜と茄子を刻んだのを加え、味噌をといて入れ、三温糖を加えて、落としぶたをして煮る。野菜がしんなりしたところで水でといた小麦粉をおく混ぜ、小麦粉に十分火が通ったらできあがり」「もたまたして粉っぽいかと思ったら、意外にしゃれた味だ」「イリコのダシが効いてコクのある味に仕上ってる」

ひやきを食べる山岡たち。「まずは赤ジソのひやきだ。赤ジソを千切りにして塩をふる。小麦粉を入れてよく混ぜ、水を加えてお好み焼きのタネ程度にし、それをフライパンで両面焼いてできあがり。次は黒砂糖のひやき。小麦粉を水でといてフライパンで薄く焼き、表面が焼けてきたら黒砂糖をまいて、生地を端から巻いてできあがり」「赤ジソのひやきはとても懐かしい味と香りだ。日本人は昔から赤ジソを梅干しに入れたりして、よく食べたからな」「黒砂糖のひやき、大分銘菓として売れそうだ」

やせうまを食べる山岡たち。「小麦粉を耳たぶくらいの固さになるまでこねて、20分ほど寝かせる。小さな固まりにしたものを両手でひきのぼし、沸騰した湯に入れてゆでる。よくゆだったら塩少々、砂糖、きな粉をたっぷり入れ、よくかき混ぜてできあがり」「やせうまは日本人なら誰でも好きな味だ」「きな粉の風味が強いのに、小麦粉の旨味をじっくり感じるのが面白い」「昔は米が貴重だったから、こういう小麦粉の料理が考えられたわけだ」