ガメラ 大怪獣空中決戦 | ロロモ文庫

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プルトニウム輸送船・海竜丸を警護していた海上保安庁巡視船・のじまに海竜丸が座礁したという報告を受ける。「そんな馬鹿な。ここは海底三千メートルだぞ」そして海竜丸を座礁させた環礁は姿を消す。

状況をのじまに乗っていた米森から聞く調査会社の草薙。「しかし、プルトニウムが漏れなくて何よりでした」「もしプルトニウムが海を汚染していたら。自分の責任は重大です。環礁調査の調査団に是非自分も参加させてください。あいつの正体をどうしても知りたいんです」米森は草薙の家に行き、娘の浅黄と会う。

太平洋上では謎の環礁に出会って船が座礁するという事件が続発していた。調査船・けんざきに乗り込み、太平洋上に向かう草薙と米森。

福岡市動物園に勤務する鳥類学者の真弓のところに長崎県警の大迫刑事が現われる。「姫神島にはあなたの恩師の九州大学の平田先生が行っているとか」「はい」「大きなヒナが発見されたとか」「ええ。でも心配しているんです。連絡がとれなくて」「うむ」「島で何かあったんですか」「それがようわからんのです。おととい連絡をたった島の漁民が、「鳥を見た」と」「鳥?」

姫神島に行った真弓と大迫は住居が破壊されて、島民が誰もいなくなっているのを見て唖然とする。「こんなことをする生物は地球上にありえません」「新種ということは考えられませんか」「……」真弓は未消化物の塊を見つけ、そこから平田の万年筆やメガネを発見する。

山奥に入った真弓は巨大な鳥が空を舞うのを目撃する。ヘリコプターに乗り込んで鳥を追う真弓。巨大鳥はエサを求めて、姫神島の近隣にある小野島を襲撃して、姫神島に戻る。巨大鳥の写真を撮影する真弓は、姫神島で三羽の巨大鳥が舞うのを見る。「一頭じゃないとは思っていたけど」

草薙たちは海面に浮かぶ環礁を発見する。環礁に上陸し調査する調査団。米森は勾玉のような金属片を見つける。「なんですか、これは」「古代文字で書かれた碑文のようですね」環礁は急に動き始める。海に落ちた米森は海中で光る眼を目撃する。

環境庁の斎藤審議官と会う真弓。「今朝の閣議で例の動物の捕獲が決定された。そこであなたに捕獲の方法を考えていただきたい」「私がですか」「お若いようですが、専門家の中で実物を見たのはあなただけだ」

相手は行動半径は広い、と説明する自衛隊の佐竹一等陸佐。「すでに死傷者も出ています。閣議決定により作戦の実行には我々が当たることになりました」まだ習性も何もわからないのに捕獲するのは危険だ、と主張する真弓に、これは決定事項だ、と冷たく言う斎藤。

真弓は福岡ドームに巨大鳥をおびきよせて捕獲する作戦を思いつく。「あの生物は小野島を正確に目指したとこから、渡り鳥と同じく地磁気を読んで飛行すると思われ、最終的にはエサのたくさんあるこの博多に飛来するものと思われます。あの生物は夜行性で光に弱いはずです。それを利用してヘリで三匹をドームに誘導してもらいます」

福岡ドームに現れた米森は海中を巨大生物が博多めざしてやってきている、と斎藤に言う。「あの環礁は巨大生物だったんです」「どれくらいの大きさだ」「推定六十メートル」「こちらは推定十五メートルの飛行生物で手一杯だ」ドームに現れ三匹の鳥は用意した餌をガツガツ食う。斎藤たちはドームを閉じて鳥たちを捕獲しようとするが、そこに亀のような巨大生物が現わる。巨大生物は鳥の一匹を殺し、逃げた二匹を追って、ジェット噴射で空に舞う。

碑文の文字は解読できた、と米森と浅黄に話す草薙。「最後の希望ガメラ。時のゆりかごに託す。禍の影ギャオスとともに目覚めん」「どういうことですか」「わからん」

勾玉を浅黄にプレゼントする米森。この勾玉を作っている金属は未知の金属だがプラトンの言うオリハルコンが実在していたら、この金属を指すだろう、という草薙。「オリハルコン?」アトランティスで使われていた金属だ、と米森に教える浅黄。「アトランティスは一万二千年前に一夜にして大西洋に沈んだ伝説の大陸よ」「でも発見されたのは太平洋だぜ」

沈んだ文明が太平洋にあったとしたら、姿を変えて世界に広まり、アトランティスと重なってもおかしくない、と述べる草薙。「あの怪獣は人工のものだと言うんですか」「断定はできんが、円盤のように飛ぶ動物は考えられるだろうか」

碑文の内容を斎藤に話す草薙。「ガメラとギャオス。とてもついていけんが、仮に怪獣が鳥をやっつけに現れたとしても、姿を消したのをどう説明するのかね」「永い眠りから覚めたのでエネルギーをチャージしていると思われます」

姫神島で調査した真弓は、そこでギャオスは共食いをしたらしく、ギャオスのヒナの死体が見つかったこと、そしてギャオスには雌しかいないこと、を報告する。歓喜する斎藤。「ということは巨大鳥は二匹しかいないことになる。トキ以上に貴重ではないか」トキは人を食べませんよ、と呟く米森。

木曽山中でギャオスが発見されたという報告を受けて調査に向かう真弓は、ギャオスに襲われるが、そこに現れたガメラに命を救われる。ガメラは一匹のギャオスを倒し、生き残って逃走するギャオスを追って、空を飛ぶ。ガメラを危険生物とみなした自衛隊は駿河湾上空を飛行中のガメラをミサイルで狙撃する。富士山の裾野付近に墜落するガメラ。

勾玉をブレスレットにした浅黄は、巫女状態となってガメラを追って、富士山に向かう。自衛隊は激しくガメラを攻撃する。そこに現れたギャオスはガメラの右腕に超音波光線を浴びせる。ガメラが右腕を怪我すると、右腕から血を流す浅黄。「ガメラ、逃げて」海に逃げるガメラ。富士の樹海にこもるギャオス。昏睡する浅黄。「ガメラも私も休むわ」

ギャオス捕獲作戦はまだ生きている、という斎藤に、不可能です、と答える真弓。「ドームの時より、大きさも凶暴性もはるかに増しています。信じられない成長速度です」ギャオスのおかげでガメラを撃退できるのでは、という佐竹に、撃退すべきはガメラではなくギャオスだ、と答える米森。とにかくギャオスは人を襲うので警戒してください、という真弓に、ティラノザウルスも人を襲うが、誰もが捕獲を望むのだ、と答える斎藤。

真弓の後輩で遺伝子学者の道弥はギャオスの染色体を調べた、と真弓に報告する。「ギャオスの染色体は一対だけです。人間は二十三対、アマガエルの十二対。一対というのは極めて異常です。しかも遺伝子には進化の状況を経ているため、必ず無駄があるんですが、この染色体には他の無駄がない。完全無欠の一対なんです」「そんな生物あり得るの」「ギャオスは進化の帰結ではなく、最初からあの形で完成していたとしか思えません」「誰かが作ったというの」「わかりません。しかも染色体にはXXだけでなく、YYのタイプもありました」

真弓に聞く米森。「YYというのは雄の染色体だろ。ギャオスは雌だけじゃなかったのか」「雌が雄に転換することもあれば、単為生殖で一羽だけでも繁殖可能ということなんだわ。人をエサにして、無限に繁殖し続ける」「……」

碑文の内容を聞いて、古代文明はギャオスに滅ぼされたのはないか、と米森に言う真弓。「自分たちの作ったものに滅ぼされたのか」「ギャオスが自分の手に負えなくなった彼らはあわててガメラを作ったんじゃないかな」「でもそれも間に合わなかった」「でも次の文明のためにガメラを残した」「なぜ今になってギャオスは蘇ったんだ。この日本で」「超古代文明が滅んで、自分たちの環境にあう時代になるまで卵のままで休眠したのよ」「ということは、今の日本の環境がギャオスに適しているということか」

「二酸化炭素、窒素酸化物の濃度の上昇。紫外線の照射量の増加。これだけ環境が変われば、何が起こってもおかしくないでしょう」「超古代文明も迷惑なものを残してくれたよ」「私たちもとんでもないものを残そうとしているわ。たとえばプルトニウム」「……」「プルトニウムの半減期は確か」「プルトニウム239で二万四千年だ。確かに何万年も残るわけだ」「私たちだってそういうものを造り出しているんだもの。今の文明も滅ぼうとしているのかもしれない」「待ってくれ。奴らは滅びた。けど俺たちは生きている。滅んでたまるか」

より巨大化し、より凶暴化したギャオスはエサを求めて東京を襲撃する。ギャオスは捕獲中止になった、と真弓に告げる斎藤。自衛隊はミサイル弾をギャオスに浴びせようとするが、夜行性であったギャオスは昼間でも活動できるよう進化し、誘導ミサイルを東京タワーに当たるように仕向け、半分に折れ曲がった東京タワーの上に巣を作る。ガメラが最後の希望になってしまった、と呻く米森。ガメラがは今どこにいるんでしょう、と言う斎藤に、身勝手すぎます、と怒鳴る真弓。

ガメラは海中で目を覚ます。それと同時に目を覚ます浅黄。対決するガメラとギャオスは凄まじい戦いを繰り広げるが、ガメラの放った猛烈光線がギャオスを粉砕する。それと同時に浅黄の右腕の傷も癒える。海の中に消えていくガメラ。真弓に聞く米森。「もし超古代文明が滅びたあと、ギャオスが渡りをやっていたとしたら」「ギャオスの卵は世界中にあってもおかしくないわ」「次にまたガメラが来るとは限らない」浅黄はガメラはきっと来ると力強く言うのであった。