作:雁屋哲、画:花咲アキラ「美味しんぼ(610)」 | ロロモ文庫

ロロモ文庫

いろいろなベスト10や漫画のあらすじやテレビドラマのあらすじや映画のあらすじや川柳やスポーツの結果などを紹介したいと思います。どうぞヨロピク。

待望の赤ちゃん!!

チヨに最近の子供は生意気だと言う山岡。「剣道の稽古にあとで武芸食だと言って、カキフライ、ホウレンソウのゴマよごし、豚汁、ヒジキ、ニンジン、油揚げの混ぜご飯という全体として釣り合いにとれたいい食事を作ったら、剣道の後で腹減ってるから食べるけど、おしゃれじゃないと言いやがった」「ぬう、生意気なガキどもにぐうの音を言わせない料理を考えるわ」

子供たちに豚肉団子鍋を作れと命令するチヨ。「昆布を鍋の水から沸騰する前に引き出して、たっぷりかいたかつおぶしを入れて、ふわっと煮立ったら、火からおろして濾す。これで出汁は出来上がり」「へえ、出汁はこうやって作るのか」「次は肉団子。干しシイタケと長ネギをみじん切りして、豚のひき肉と卵を割り入れ、ショウガの絞り汁を入れて、よくこね、それを団子にして油で揚げる。あんたは白菜を切って。あんたは生椎茸に脚を取って。あんたは油揚げを短冊に切って。これで準備完了」

豚肉団子鍋を喜んで食べる子供たち。「この肉団子、一度油で揚げてるのがいい。若い人向きだ」「白菜の旨味と肉団子のコクのある味の絡み合いがいい。油揚げもよく味の出たたっぷり吸っていい塩梅だ」「この肉団子鍋、美味いが別におしゃれでもないし、若い者の感覚に合わせたものとも思えない。鍋なんて年配の人向きのものだろうに子供たちは喜んでいる」「鍋料理って一見年寄り向きに思えるが、仲間が集まってひとつの鍋をつつくのは子供にとっても楽しい」「この楽しさはファーストフードの店やファミリーレストランの演出のように虚飾じゃない。友情を深めるし、栄養はあるし、実質がある」

栗田が全然手を付けないにのに気づくチヨ。「どうしたの」「さっき病院に寄って確かめてきたの。私、赤ちゃんができたわ」ぬうと呟く山岡。「俺が父親に」