大怪獣ガメラ | ロロモ文庫

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探検船「ちどり」が北極にやってくる。動物学者の日高、その助手の京子、カメラマンの青柳はエスキモー相手に取材する。北極の空を飛ぶ謎の飛行機の編隊。悪魔の鳥、とはやしたてるエスキモー。「こんな平和なエスキモーの空にイヤだわ」その飛行機たちは国籍不明で、アメリカ空軍が調査を開始し、そのうちの一機を撃墜する。きのこ雲をあげて大爆発する謎の飛行機。

その様子をエスキモー村落から見守る日高たち。「北極海で原爆の実験でもあったのかしら」「いや。そんなニュースは聞いてないよ。墜落した飛行機に原爆が積んであったんだ。これは特種だぜ」「これだけ離れていればここに死の灰が降ることはないだろうが」

氷が割れてその中から怪獣が現れる。日高はエスキモーに取材する。「アトランティス大陸に非常に変わった亀がいたそうだが、心当たりは」最初は否定するエスキモーのチーフは伝説の石を日高に渡す。「悪魔の使い。ガメラ」その石には波のような模様が描かれてあった。

激しく地面が揺れる。飛行機が墜落した部分の氷が割れてその中から怪獣が現れる。必死で救助の無線を打つ「ちどり」だが電波障害で通じない。ガメラは「ちどり」を襲い、「ちどり」は沈没する。

場面変わってニューヨーク。日高博士がテレビでインタヴューを受ける。「全世界のみなさん。北極海のあたりにアトランティスという大陸があったと言われています。そこにガメラという巨大な亀が住んでいました。氷に閉じ込められて何千年も冬眠を続けましたが、先日某国の原子爆弾により氷山が崩れガメラが蘇えりました。このガメラのため、三人を除いて「ちどり」号の乗員は全滅しました。このガメラは相当凶暴な性格と思われます。しかしガメラは全身に放射能を浴びており、遅かれ早かれ死亡するものと思われます。動物学者としてはまたとない標本ですが、人類の一員として北極海の海底にガメラが横たわっていることを願っております」

ガメラ出現は世界中の大ニュースとなる。そのころ新潟に住んでいた酔っ払いの老人は火の玉を目撃する。「待てよ。火の玉が宙返りするなんて聞いたことがないな。おお、あれはひょっとして今はやりの空飛ぶ円盤でねえか」世界各地で空飛ぶ円盤騒ぎが起こり、ガメラのことは忘れられる。

日高たちは日本に帰る。「しかし私達だけ生き残るとはねえ」「実はカメラマンの間でくじびきをしたんです。誰が博士たちと同行するかとね。僕が生き残ったのは八分の一の確率だったんです」「まあ」「でも、僕がエスキモー村落に行ったのは京子さんの存在があったからです。京子さんは僕の幸運の女神なんです」「まあ」飛行機の中で京子を口説く青柳。

北海道。教師の上田は生徒の俊夫の姉の信代に愚痴をこぼす。「すいませんが、俊夫君に学校に亀を持ってこないよういってください。俊夫君は亀に夢中で、友達が出来ません」俊夫と信代は母をなくし、灯台守の父と三人暮らしであった。「亀を捨てたら一番好きなものを買ってやる」「一番好きなものは亀だよ」

父に叱られ泣く泣く亀を生みに捨てに行く俊夫。しかし捨てるふりをして岩の中に隠す。「チビ、待ってろよ」そこへガメラ出現。俊夫は灯台に逃げて、そこから落下するが、ガメラに命を救われる。

翌朝、隠したチビを捜しに行く俊夫であったが、チビの姿は消えていた。「わかった。チビがガメラになったんだ」

北海道にガメラが現れたと聞き、日高・京子・青柳のトリオは北海道へ。ガメラは地熱発電所に向かっていた。日高は自衛隊司令官と相談。「地熱発電所は千度の高熱の蒸気を発しています。ガメラを蒸し焼きにできませんか」「いや、ガメラは原子爆弾に耐えたやつです。そんなことではとても」「日高さん。何かいい方法でも」「発電所の最高出力は」「35万キロワットです」

高圧線に最高電力を流し、ガメラをショック死させようとする日高。だが大失敗。「ますます元気になったようだ」「ガメラの細胞構造はどうなっているのか知らんが、栄養剤を注射したようなもんだ」「私の失敗のようだね。司令、攻撃してください」しかし攻撃もきかない。「司令、車を貸してください。相談したい人がいます。それまでがんばってください」日高たちは北海道大学の古生物の権威村瀬教授を訪ねる。「先生。ガメラは不死身でしょうか」「人類のどんな武器を通用しないだろうね」

そのころ自衛隊はアメリカ軍に頼んで核ミサイルをガメラにぶちこむ準備をしていた。そこへ村瀬を連れて三人が戻ってくる。「目にものを見せてやります。核ミサイルをまもなく発射します」急いで日高はそれを止める。そこへ俊夫がやってくる。「おじさん。ガメラをいじめないで。亀はいいやつばかりなんだ」

日高は司令に相談。「ガメラは高温を大変好み、炎が大好物です。ということは低温が嫌い。冷凍攻撃はどうでしょう」「実は軍事機密なんですが対熱帯での戦闘用に全てのものを凍らせる冷凍爆弾が完成しております。但しききめは十分間しかもちません」

とりあえず十分でもいいや、ということで冷凍爆弾をガメラに。ガメラが凍っている間にダイナマイトをぶっぱなしてガメラを仰向けにするのに成功。村瀬は大喜び。「亀という動物は裏返しになると自力で起き上がれません。あとは餓死するのを待つだけです」日高も大喜び。「おお。餓死すれば、私は貴重な動物標本が手に入れられる」自衛隊員も万歳を繰り返し大喜び。

ガメラは手足をひっこめる。「手も足も出ないとはこのことだ」さらに喜ぶ自衛隊員。ひっこんだ部分からジェット噴射が始まり、ガメラは仰向けになったままグルグル回転しながら空を飛ぶ。「そうかこの石の模様は波じゃなく、雲なんだ。ガメラが空を飛ぶことを暗示していたんだ」口惜しがる日高。酔っ払いの老人の見たものはガメラだった。

東京湾で不審な現象が起こる。東京湾の海底にガメラがいるに違いない、と断言する日高。そのころ俊夫と信代は親戚を頼って上京していた。世界中の科学者が日本にやってくる。「どんな武器もガメラには通用しない」「伊豆大島のZプランがあるではないですか」Zプランはアメリカとソ連が平等に技術を提供し、人類の科学の全てを集めた夢の計画であった。

ガメラは羽田空港に現れ、東京は火の海に。「ガメラ。悪いことをしちゃいけない」必死で訴える俊夫。ガメラはコンビナートに居坐り、好物の炎を食い漁る。「あと一ヶ月でZ計画は完成する。それまで石油を供給してガメラを釘付けにしておくのだ」

無人の列車に石油を積み、せっせとガメラに提供する。Z計画は完成。「問題はどうやってガメラを大島に連れて行くかだ」「私にいい考えがあります」

日高はドラム缶を東京湾に浮かべ、それに火をつけて炎のラインを大島まで作る。炎を吸い込みながら大島に向かうガメラ。しかし折からの台風で火は消える。「だめか」資材にまぎれこんで大島に上陸した俊夫はほっとする。

台風にまぎれこんで大島に上陸した青柳はあたりに火をつける。「気でも狂ったのか。青柳君」「ガメラは火が好きなんだ。いいから燃やせ」火を見てきびすをかえすガメラであったが、台風の影響で今度は雨が。「やっぱりだめか」しかし台風の影響で雷が落ち、そのショックで大島噴火。「よし、ガメラは上陸した。Z計画開始」

ガメラは炎にあびきよせられて、台座の上に行く。「セカンドステージ開始」台座をカプセルが覆い、ガメラはその中に包まれる。「発射」ガメラを包んだままロケットが発進。これが人類の叡智の結集である火星ロケットだ。全人類の力で見事に成功したのだ。

日高は俊夫に話し掛ける。「俊夫君。ガメラがいなくなって淋しくないかい」「淋しくなんかありません。僕も大きくなったら先生みたいな立派な先生になって、火星のガメラに会いにいきます」俊夫は青空に叫ぶ。「さよなら。ガメラ」