ウルトラマンタロウ 第43話 | ロロモ文庫

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怪獣を塩漬にしろ!

全宇宙の憧れである緑豊かな地球のビタミンCを狙って侵略してきた宇宙人の円盤を撃墜するZAT。「やったぞ」「真昼間に侵入してくるなんて、大胆不敵な宇宙人ですね」「ああ。地球の空はZATが守っていることを知らない宇宙の片田舎から来た宇宙人なんだろう」「よし。本部に引き上げるぞ」円盤の中から宇宙生物の卵が浮遊していることに気づかないZAT。

八百屋の息子なのに野菜が食えないのかと息子の武志を叱る善助。「だって父ちゃんの作る料理はまずいんだもん」「男のくせに食い物のことでごちゃごちゃ言うのはみっともないぞ」「いくら八百屋の息子だって、売れ残りの人参やイモばっかりじゃうんざりだよ」「この野郎」「父ちゃん、料理学校に行ったほうがいいぞ」

星を見つめる武志。「母ちゃん、なんで死んでしまったんだよ。人間は死んだら星になるっていうけど本当かなあ。だったら、母ちゃんはあの優しそうな星になったのかなあ。あれ、あの星、こっちに飛んで来るぞ」武志の部屋に飛び込む宇宙生物の卵。「あ、割れて、中から宇宙生物が。そうか、あれは宇宙生物の卵だったんだ」「アアア」「腹が減ってるんだな。よし、何か食わせてやる」

父ちゃんは朝から晩まで野菜なんだと言う武志。「お前、ひとりほっちで可哀そうだから、俺がお前の父ちゃんになってやるぞ」「アアア」「うちの父ちゃんと違って、優しく遊んでやるからな」「アアア」「なんだ、牛乳は嫌いか」「アアア」「こんなものが食べたいのか。まずいんだぞ、これ」「アアア」「野菜の好きな宇宙怪獣だなんて変な奴だな」

洞穴に野菜を持って行く武志。「モットクレロン、野菜を持って来たゾ」「モットモット」「お前はもっともっとしか鳴かないんだな」「モットモット」「野菜ばっかり食べてもっともっとと鳴くだけの宇宙怪獣なんて、カッコ悪くて友達に自慢できやしない」「モットモット」「絶対外に出ちゃだめだぞ」「モットモット」「うるさい。また明日」「モットモット」「でもお前、もっと体が大きくなって自分の星に帰れるようになったら、僕も連れていってくれないか。お前の星に母ちゃんがいるような気がするんだ」

白菜を店の中に入れとけと武志に言う善助。「その前におやつをおくれ」「みかんでも食べてろ」「毎日みかんじゃないか」「じゃありんごにしろ」「母ちゃんは菓子を作ってくれたぞ」「父ちゃんは母ちゃんじゃない」「そんなことわかってらい」「わかってたらグズグズ言わないで仕事手伝え」「父ちゃん」(父ちゃんは僕のことなんか全然可愛くないんだ。仕事ばかり手伝わせて店の方が大事なんだ)「畜生」「武志、どこに行くんだ」「父ちゃんなんか大嫌いだ」

巨大化して、野菜を運ぶトラックを襲うモットクレロン。「モットクレロン。いつの間にかそんなに大きく」「モットモット」「何がもっともっとだ。人に迷惑かけて平気なのか」「モットモット」「お前、野菜の食い過ぎだぞ」「モットモット」「畜生。育ててやった恩を忘れやがって。僕はお前の父ちゃんなんだぞ」

「父ちゃん」「どこ行ってたんだ、馬鹿。早く野菜を中に入れろ」「怪獣が来るんだぞ。こんなのどうだっていいじゃないか」「何をするんだ、商売物を」「父ちゃんは僕より野菜の方が大事なのか。ようし」「こら武志、どこに行くんだ」「あの怪獣は僕が育てたんだ」「なに」「あの怪獣に野菜を食べさせて、母ちゃんのいる星に連れてってもらおうと思ったんだ」「母ちゃんは死んだんだ」「星になってるかもしれないじゃないか」「何言ってるんだ」「父ちゃんなんか大嫌いだ」「馬鹿野郎」

武志をぶつ善助。「武志、母ちゃんがいなくて寂しいとか、父ちゃんが遊んでくれなくて寂しいとかちっぽけなことを言うな。あれを見ろ。ZATのように男は泣き言を言う前に、まず戦う者なんだ。お前が怪獣を育ててしまったんなら、お前が退治するしかないだろ」「うん」「わかったなら父ちゃんと一緒に戦うんだ」「うん」「まず店の野菜を全部放り出せ。怪獣の好物は野菜だろ。こいつでおびきよせるんだ」「父ちゃん。店より野菜より俺の方が大事なんだね」「バカ、当たり前じゃないか。いいか、あいつがかがみこんで野菜を食う時がチャンスだぞ」

野菜を食おうとかがみこむモットクレロン。「今だ」竹槍でモットクレロンの喉を刺す善助と武志。「モットモット」「父ちゃん、あいつまでもっともっとって言ってる」「畜生」ウルトラマンタロウに変身する光太郎。モットクレロンを塩漬けにして、野菜エネルギーを抜き取るウルトラマンタロウ。そしてすっかり小さくなったモットクレロンをウルトラマンタロウは宇宙に向かって放り投げるのであった。