作:雁屋哲、画:花咲アキラ「美味しんぼ(573)」 | ロロモ文庫

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野菜の名前

フランスにいる邦子に会いにいく土原。「お土産。浜松名産の浜納豆だ」「ありがとう。浜松産のは初めてだけど、美味しいんでしょうね。きっと」「何を言ってんだ。浜納豆は浜松名物に決まってるだろ」「そう?」「腹減った」「何か作るわ。材料を買いに市場に行きましょう」

市場に行く土原と邦子。「日本にない野菜があるな。名前教えろ」「これはパネ。ジャガイモとカブの合わさったような味がするの。セルリラーブは細切りにしてサラダにすると美味しいわ。これはシュナベ。カブと同じような料理法で食べるわ」「このぐしゃぐしゃな葉っぱは?」「シコレ。苦みはサラダには最高よ」「この白い花弁のようなのは?」「アンディーブ。生のままいろいろ乗せて食べてもいいし、煮ても美味しいの」「ぬう。いろいろ変わった野菜があるな」

日本に帰って食通の丸田の家に行く土原。「カスピ海直送のキャビアだ。このチコリーと実に合うだろ」「ああ、アンディーブのほろ苦さがキャビアの旨味を一層引き立てるな」「アンディーブ?これはチコリーだ」「アンディーブだ」「じゃあ、この野菜はなんだ」「シコレだ」「エンダイブだ」「シコレだ」「バカめ、エンダイブはフランス語読みでアンディーブ。チコリーは英語でシコレはフランス語だ。お前、野菜の名をフランス語で覚えたのはいいが、エンダイブとチコリーを逆に覚えたんだ」「ぬうう

パリの邦子に電話する土原。「バカ女、お前のせいで恥をかいた」「バカ男、あんたのお土産腐ってたわ。あんた私にわざと腐ったものを食べさせようとしたのね」「バカ女」「バカ男」

日本に戻った邦子と土原に白い花弁のような野菜は英語でチコリーでフランス語でアンディーブ、ぐしゃぐしゃな葉っぱのような野菜は英語でエンダイブでフランス語でシコレだと教える山岡。「エンダイブは分類学的にチコリウム・エンダビアという。それをイギリス人はエンダイブといい、フランス人はシコレと呼ぶ。チコリーはエンダイブの芽だ。根株を掘り起こして特別の軟化材に植え、出てきた芽を日に当てずに軟化させたものだ。それをイギリス人はチコリー、フランス人はアンディーブと呼ぶ」「まあ」「ぬう」

二つの納豆を見せる山岡。「塩辛納豆と言って、煮た大豆に麦と豆で作った麹と塩を混ぜて発酵させたもので、よく寺で作られたので寺納豆ともという。大徳寺納豆、天龍寺納豆が有名だが、この浜松名産の浜納豆も寺納豆の仲間だ」「じゃあ、私が腐った豆と思ったのはこれだったの」「これは甘納豆。豆を甘く煮たのの」「ぬう。邦子がお土産にと言ったのはこれか。電話で甘納豆と言ったのを浜納豆と思った」「浜納豆なんか知らないから、浜納豆は浜松産の甘納豆と思ったわ」「邦子」「土原さん」「結婚しよう」「いいわ」