カックン超特急 | ロロモ文庫

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富士自動車のトラック運転手である平助と助手の信吉は明日から東京行きの特急便の仕事をやってくれと言われ、しかも手当が千円つくと聞かされ大喜びする。妻の民子と娘の春子から祝福される平助。「おめでとう」「ありがとう。母ちゃんのおかげだよ」「父ちゃん、一生月給上がんないと思ってたのに、千円もあがって、しかも特急便だなんて、夢みたい」春子を見て、お前色っぽくなったなと目尻を下げる平助に父ちゃんは名前が悪いと言う民子。「平助っていい名前じゃないか。平和の平に人助けの助だ」「逆から読んでごらんよ」「助平」

張り切って東京行きの特急便に乗り込む平助と信吉。「あ、平さん、ストップ」途中で恋人の邦江を乗せる信吉。「信吉。これはどういうことだ」「いや。邦江ちゃんは今日公休日なんで、長浜の母ちゃんところに送ってやるんだ」「公私混同すんなよ」「だって、母ちゃん、恋しいもんねえ」イチャイチャする信吉と邦江にむっとする平助はハンドルを切り損ねてしまう。「弱ったなあ。特急便なのに」なんとかトラックをぬかるみから脱出させる平助。田舎の実家に帰る邦江。

平助たちは崖の上に立っている女を見つける。「自殺するかもしれない」「助けよう。若い女だぜ」しかし女は崖下に落ちたハンドバッグをどうしようと思案していただけであることが判明する。「ねええ。お願い、取ってくださる」苦労してハンドバックを取る二人。そこに現れる女の夫。「どうしたの」「ハンドバッグを落としてこの人たちが取ってきてきれたの」「君が落ちたならともかくあんな安いハンドバッグ、いつでも買ってやるよ。行こう」「そうね」カックンする二人。

東京に急ぐ二人は五人娘と出くわす。すぐに五人娘をトラックに乗せる平助と信吉。「ねえ、おじさん、何か食べない」「いや、急ぎますんで」「あら、せっかく乗せていただいたんだからご馳走するわよ」「そうですか。すいません」しかしたらふく食べた五人娘はトイレに化粧直しに行くと言ってトンズラする。またカックンする二人。続いて同僚から聞いていた戸塚のガソリンスタンドの可愛い不二子という娘に会いに行く二人だが、不二子から恋人に品物を運んでくれと言われて、またもカックンする。

大幅に遅れて東京営業所に到着する平助と信吉。早く新東洋映画に行ってくれと怒鳴る所長。「向こうじゃ小道具がつかないと大騒ぎなんだ」新東洋映画に行った平助は由利徹と間違われて珍騒動を繰り広げる。東京からの帰り道で平助と信吉は三人組にトラックを奪われるが、何とか捕まえる。三人組は銀行強盗と分かり、平助と信吉は警視庁から表彰を受ける。

ピクニックに出かける平助と信吉と邦江と民子と春子。強盗をカックンと倒したと話す平助を止める民子。「父ちゃんの話だと随分いっぱいやっつけたようだけど、新聞だとたった三人じゃないか」「新聞はでたらめだよ、なあ、信吉」しかし信吉は邦江との会話に夢中で平助の話を聞いてなかった。

なおも武勇伝を喋り続ける平助。「あれ、みんな、どこ行ったんだ」「父ちゃんの話があまり面白いんでみんなどこかに行っちまったよ」「そうかい。やっぱり俺の話を真面目に聞いてくれるのは母ちゃん一人だけだな。だが、このへん来ると懐かしいな。ほら、あの松の木あたり。二人で手つないでよく歩いた。いや、懐かしいなあ」

二十年前に初めてキスをしたことを思い出しながら、キスをする平助と民子。それを見て笑う信吉と邦江と春子。楽しいピクニックを終えた五人は家路につくのであった。