ラフ | ロロモ文庫

ロロモ文庫

いろいろなベスト10や漫画のあらすじやテレビドラマのあらすじや映画のあらすじや川柳やスポーツの結果などを紹介したいと思います。どうぞヨロピク。

栄泉高校にスポーツ推薦で入学し、上鷺寮に入ることになった女子飛び込み選手の亜美や男子競泳選手の大和たちに言う寮母の東海林。「ラフ。うちの中一の娘がいるでしょう。あの子、絵が好きでね。よく外でラフデザインを描いててね。それ見て思ったの。あなたたちはラフだって。どんな見事な絵でもまずはラフな下書きから始まる。それから何本も線を重ねて、下書きを重ねて、その中から自分自身で一本の線を選び出してください。粗削りで結構。大雑把で結構。今から小さくまとまった絵なんか完成させなくてもよし。下書きを繰り返してください。未完成こそあなたたちの武器です」

上鷺寮では、新入生の代表を選び、選ばれた男女の代表が一日デートをするのが伝統があり、代表に選ばれれデートすることになる大和と亜美。急に雨となり、マンションに入る亜美。「いったい、誰のマンション?」100メートル自由形日本記録を持つ早海大一年生の仲西の部屋に入り、仲西を「おにいちゃん」と呼ぶ亜美。大和を見て、亜美にデートかと聞く仲西。「だったら傘一本でいいか」「やめてよ、おにいちゃん」

二人は兄妹なのかと聞く大和におにいちゃんはおにいちゃんよと答える亜美。昔馴染みだと言う仲西。ここでバイトしてると大和に言う亜美。「おにいちゃんが遠征に行った時、掃除したり。時給800円で」「……」「いいこと教えてあげようか」「え」「不気味だって言ってたよ。今のところ伸び悩んでいるようだけど、泳ぎに魅力がある。ああいう選手が時々記録を破ったりするもんだと」「……」「言ってたよ、おにいちゃん」

それなりに評価してもらって嬉しいと言う大和に何の話だと聞く仲西。「俺のこと、不気味な選手とか」「いや。言ってないけど」「そうですよね。ごめんなさい」仲西さんは俺のことを気にも留めてなかったと亜美に言う大和。「昔、俺と仲西さんは同じクラブに入ってて、仲西さんはトビウオって呼ばれてた。それからずっと目標で」「……」「お前なんて、大嫌いだ」

関東大会男子100メートルで2位になった大和にやっぱり不気味な選手だという優勝した仲西。「この間は大会前だから、君をけん制したんだ。だからもう亜美に八つ当たりするなよ」やるじゃないと大和に言う亜美。「どうせまた無視するんでしょ。別にいいけど。さっきの記録、自己ベストなんでしょ。と言っても、おにいちゃんとは0.4秒も差があるけどね」

夏休みになり、海合宿する栄泉高校水泳部。どうして仲西さんもと聞く大和に心配だからと答える仲西。「彼女は結構泳げますね」「俺の一番弟子だからな」「先生がいいんだ。日本一ですもんね」ウィンドサーフィンのボードにぶつかって気を失う亜美。仲西より先に海に飛び込むが、亜美を助けて人工呼吸する仲西を複雑な表情で見つめる大和。

それから2年後。自己記録をどんどん更新する大和に、日本新記録を更新してお前には負けられないという仲西。「今度、溺れた彼女を助けるのは絶対に俺でありたい。それだけです」「このカセットは亜美から預かった。お前に渡してくれと。その時、俺に何を話していったか、教えてやろうか」「いいです。レース前に俺が動揺すること、仲西さんは喋りませんよ」日本選手権で日本新記録を出して仲西に勝つ大和。亜美は大和に「あなた好きです」と告白するのであった。