ウルトラマンタロウ 第11話 | ロロモ文庫

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血を吸う花は少女の精

被害者の血が一滴もなくなる殺人事件が続発し、警察の要請を受けて現場調査に赴くZAT。「これだけ探しても何の手がかりもない」「やっぱり怪獣じゃないようだな」「あっ、危ない」赤い花を持って車に轢かれそうになるかなえを救う光太郎。「こんなところを一人で歩いていると危ないよ。家はどこ」「わからない」「え。弱ったなあ」この子を覚えていると言う森山。「去年のクリスマス、施設の子を招待したの。その時一緒に遊んだ子よ。その施設は親に捨てられた子供ばっかりだったわ」

さおりが旅行に出てるため、健一の面倒を見に、白鳥家に行く森山。施設に問い合わせる光太郎。「かなえちゃんが二か月前に里子に出されていた。その家は岩坪さんの家なんだ」「岩坪さんと言えば大変なお金持ちじゃない」「その夫婦に子供がいないんで引き取ったらしいんだ」健一に赤い花をあげると言うかなえ。「え、いいの」「うん」

かなえを家まで連れてきた光太郎に、この子には困っていると言う岩坪夫人。「この子ったら道もわからないのにふらっと迷子になって、ご迷惑ばかりかけてるの」「そうですか」「かなえちゃん、お昼寝しましょうね」「……」「この子は変わったところがあって、うちでもほとんど口をきかないんですよ」

子供を捨てるなんてよくないと健一に言う森山。「でも子供を捨てたくて捨てる人はいないわよ。よっぽど生活が苦しかったのよ。だからかなえちゃんが本当のお母さんを探しだして、そこに戻っても幸せになれるかどうかわからないわ」「僕だって捨て子みたいなもんだよ」「どうして」「お母さんはいないし、お父さんは航海で始終家を開けっ放しだろ」「寂しくない?」「寂しいけれど姉ちゃんもいるしね。ま、親がなくとも子は育つって言うじゃない」

夜中になって、つるを伸ばして森山と健一を襲う赤い花。酔っぱらって捨て子塚付近を歩くサラリーマン。「なんだ、草が伸びてるぞ。面倒だから切っちゃえ」草を切るサラリーマン。森山と健一を襲うのをやめる赤い花。

切られた赤い花をZAT本部に持って行き、光太郎に見せる森山。「これが例の吸血鬼と関係があるかどうかはわらないわ。でも根っこが見当たらないの」「多分根っこの方は逃げたんだな。待てよ、この花はかなえちゃんが持っていた花だ」岩坪邸に電話する光太郎。「もしもし、岩坪ですけど。あ、昼間のお若い方。ご用件はなんでしょう。え、うちのかなえがあの花をどっから持ってきたですって。知りませんよ、そんなこと。夜分遅いですから失礼しますよ」赤い花を抱えて歩くかなえに、まだ起きてたのという岩坪夫人。「お花が水がほしいって」「そんな花なんか捨てなさい。お花ならもっといいのを買ってあげます」かなえから花を取り上げる岩坪夫人。

この花は吸血植物に間違いないと言う荒垣。「分析の結果、大量のヘモグロビンを含んでいた」「この花の咲いているところを知っているのはかなえちゃんです」「でもその子は花の正体を知らないんでしょう。もし持って帰った花がまた血を吸い出したら」「もう一度岩坪家に電話してます」岩坪家に電話する光太郎。赤い花に襲われ血を吸われて電話に出ることができない岩坪夫人。

なにかあったと岩坪家に向かい、赤い花を配るかなえに出くわす光太郎。「みんな早く捨ててください。この花が吸血鬼の犯人なんです」赤い花を捨てて逃げる一同。かなえにどうして花を配るんだと聞く光太郎。「まさか知っててやったんじゃないだろうね。あの花が人を殺すって」「……」「せめて、あの花の咲いているところだけ教えてくれないかな」「……」「かなえちゃん」

そこに現れ、赤い花の咲いている場所を思い出したと光太郎に言い、光太郎を捨て子塚に連れて行く北島。「その昔、親に捨てられて死んだ子供を供養するために建てられたらしい」「……」「土葬にされた子供を食いつくした草が地上の人間まで襲うようになったんだ。まあ、こんな草は早く根絶やしにするんだ」根を引っこ抜こうとする北島と光太郎。「ずいぶん長いな」「北島さん。これは根じゃないですよ。何かの細胞みたいです」捨て子塚から現れるバサラに襲われて気を失う北島。ウルトラマンタロウに変身する光太郎。バサラを倒す光太郎。

かなえちゃんはどうしたのと森山に聞かれ、自分一人で施設に戻ったようだと答える光太郎。「だけど、あの子はどうしてあんなに花が好きだったのかしら」「自分を捨てたお母さんを憎んでたのじゃないかな」「え」「いや、お母さんをそうさせた世の中と言ったほうがいいかもしれない」今日もかなえは赤い花を探して墓地をさすらうのであった。