作:雁屋哲、画:花咲アキラ「美味しんぼ(429)」 | ロロモ文庫

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缶詰(前)

政治結社・呑天会の代表の千川が究極のメニューという言葉を使ってはいけないと話す富井たち。「あの男、究極のメニューという言葉をいろいろな商品の種類ごとに商標登録したと言うんだ。我々が究極のメニューという言葉を使ったら商標権の侵害だと言うんだ」「千川は有名な政治ゴロだ。企業専門にゆするのが本当の姿だ」「結局はお金なんだ。彼らの持っている究極のメニューの商標権を高い金で買い取れというわけだ」「あんな糞虫の言いなりになってたまるか。あんな奴に金を払うくらいなら究極のメニューをやめてやる」「大原社主」

むっとする山岡。「それでは金を払わないですむかわりに、あんな奴のために我々の努力が無駄になってしまう。東西新聞社は創立100周年を記念して始めた企画をそんな人間の屑のために放棄するのですか。そんな弱腰で新聞は社会の木鐸だなんてよく言えますね」「ぬう。偉そうなことを」

むしゃくしゃして酒屋でビールを飲む山岡。「そのサバの缶詰ちょうだい」「あいよ」「うめえぜ。あのごろつき野郎、腹がたつぜ」「若いの。お前はえらい」「え」「お前は通だ。酒屋で立ち飲みってのが本当の酒飲みだ。しかも酒の肴に缶詰ってのがますます通だ。粋な小料理だのをつまみに飲むのは本当の酒飲みじゃねえ。よし、酒の道の先輩としてお前に缶詰を買ってやる。オヤジ、鮭缶、赤貝の缶詰、サンマのかば焼き、牛肉の大和焼き、イワシの油漬け、マグロのフレーク。がはは」

たくさんの缶詰に最初はうんざりするが、おおおと叫ぶ山岡。「どうした、気分が悪いか」「これだ。あのごろつきをやっつける手を思いついたぞ。よし、飲もう。缶詰食おう」「偉い。お前は偉い」