作:雁屋哲、画:花咲アキラ「美味しんぼ(427)」 | ロロモ文庫

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究極のシャブシャブ

カツ丼を作る鍋を買いに行き、シャブシャブ用の鍋をカードで買って栗田に怒られる山岡。「いくらしたの」「16万5000円」「あなたは全然まともな生活を築こうという気持ちがないのね。このお鍋が素晴らしさはわかるわ。でも私たちには分不相応というものよ。返してきて」「はい」

尾沢に小学校の先輩で鉄工所を経営している栃田がはるを狙っていると言われる山岡。「山岡君、力を貸してくれ」「おう、尾沢。お前、はるさんにつきまとってるそうじゃないか」「おまえこそ」「お前の収入は家賃だけ。だから人間もけち臭くなる」「わしだって、うまいもんくらい知ってる」「何を知ってる」「スキヤキだろ。それにシャブシャブ」「ははは。今頃、スキヤキとシャブシャブが御馳走?牛肉が食えりゃ御馳走だと思いこんどるのは貧乏人の証拠よ」「尾沢さんの作るのは特製のシャブシャブだ」「お前は誰だ」「今夜7時にはるさんの店に来てくれ」「尾沢、食わせるものがろくでもなかったら、今後はるさんにつきまとうんじゃねえぞ」「う」

尾沢に毒をのぞいたトラフグを買わせる山岡。「こうして買えばフグ料理屋の数分の一の値段で自分の家でフグが食べられる。フグチリにするならブツ切りでもいいし、フグ刺しだてきれいに作ろうと思わなきゃなんとかなる。これがフグを安く食べるコツだ」「山岡君、フグは食通の栃田には珍しくないだろう。第一君はシャブシャブと言ったろう」

フグを厚めに切って、栃田にフグのシャブシャブを食ってくれと言う山岡。「スープは昆布とフグの骨で先にとってある。その湯にフグの身を入れて、裏表さっと一度ひっくり返したら、すぐポン酢で食べてくれ」「あややや。フグ刺しともフグチリとも違った味。フグチリを思い切り上品に洗練した味と言うか、フグ刺しをふっくらと豊かにした味というか」「表面は煮えているけど、中身は生でシャッキリしている。その歯ごたえの妙味」「中味は生だけど、熱が通った分、引き締まって、刺身よりシャッキリした歯ごたえになるのよ」「山岡君、美味しかった。これは病みつきになる。じゃ、私はこれで。はるさん、尾沢はいろいろ勉強したようだ。こんな美味しいものを知ってるなら、あんたの人生にもいい味をつけてくれるかもしれん」「尾沢」この鍋は君には分不相応という理由で、尾沢はシャブシャブ鍋を山岡から買い上げるのであった。