ウルトラマンA 第29話 | ロロモ文庫

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ウルトラ6番目の弟

京浜工業地帯にギタギタンガが現れ、TACは出動するが、現場に到着する前に姿を消すギタキタンガ。「すごいアルコールの匂いだな」「隊長。死んだ警備員は全く外傷が見られません」「死体に傷はない。すると」「考えられるのはガスですね」「よし、付近一帯の調査を始めよう」

TACパンサーを運転する北斗の前に飛び出すダン。「危ないじゃないか」「ちぇ。なんでブレーキなんか掛けたんだよ」「なに。じゃあ君は自殺しようとしたのか」「バカだな。この歳で自殺なんか考えるわけないじゃないか」小学校の同級生に囲まれるダン。「なんだ。偉そうなことを言って、できないじゃないか」「違わい。あの車が勝手に止まったんだ」「言い訳なんて男らしくないぞ。ダンの弱虫」「なんだと」

そうかとダンに言う北斗。「君はこの子たちと走って来る車の前を走ると賭けをしたんだな。俺も昔したことがある」「……」「ダンのやつ、いつもでかいことを言うんだ」「嘘つきなんだ、ダンは」「俺は嘘なんかつかない」「酔っ払い運転で死んだ親父の息子だもんな」「言ったな、この野郎」喧嘩をしようというダンを止める北斗。「ダンか。なかなかいい名前じゃないか」「こんな名前嫌いだ」駈け去るダン。

警備員は急激な酸素欠乏状態で死んでいると話す竜。「調査によると、あの辺はそういう状態になりやすいのは確かだ」「すると隊長はあれは超獣のしわざではないと」「いや。超獣が出て事は間違いない。だがヤツはどこに消えたんだ」「消えた超獣。酸欠ガス」「しかし、現場に残っていたあのアルコールの匂いはなんでしょう」「ここに興味深い資料がある。超獣が現れた現場で、酔っ払い運転で片付けられた事故が多発している」「アルコールの匂い。事故死」

同級生たちと喧嘩するダンにやめるように言う北斗とダンの姉の香代子。「ところで喧嘩の原因はなんだ」「ダンのやつ、また嘘をついたんだ」「嘘なんかじゃない」「こいつ、昼間なのに星が見えると言うんだ」「星が。ダン、どこに見える」「あそこだよ。あんなに光ってるじゃないか」「君はあの星が見えるのか」

私たちの母はダンを生んですぐに亡くなりましたと北斗に語る香代子。「そして父はあの工場の技師だったんです。それが一年前に事故を起こしちゃって」「……」「不思議なことに父の身体にはどこにも怪我がなく、あたりは物凄いお酒の匂いがしたって」「お酒の?」「ダンは父さんが大好きだったんです。ダンって名前も昔はとっても気に入ってたんです。それがこの頃おかしくなっちゃって」

再び京浜工業地帯に現れるギタギタンガ。出動したTACに警告するアングラモン。「聞け、地球人。俺は地底に棲む地底人だ。これ以上地下水を汲み上げるのを即刻中止せよ。地底人は非常に迷惑している。俺は今まで酸欠ガスを出して、何度も警告した。が、貴様たちの地下水汲み上げは一向にやまない。通告する。今から10時間以内に地下水汲み上げをやめろ。さもないとこのギタキタンガにお前達を絶滅させるぞ」姿を消すギタキタンガとアングラモン。

ダンに昨日見えた星が見えるかと聞く北斗。「見えないよ。すぐに消えちゃうんだ」「そうだ。今は見えないな。あの星は負けるもんかと思った時だけ見えるんだ」「……」「あの星はウルトラの星だ。負けるもんかって思えば君にもずっと見えるようになる」

君の父親が事故を起こした写真を調べたとダンに話す北斗。「うるさいな。父ちゃんの話なんか聞きたくないよ」「ダン、よく聞くんだ。君の父さんは酔っ払い運転で死んだんじゃないんだ」「え」「あの事故の写真を撮った人からネガを借りて調べてみたんだ。この人は娘さんの七五三の記念写真を撮ろうとしていた。そして写真をよく見ると、ギタキタンガが写ってる。ギタキタンガは酸欠ガスでこの子を襲おうとした。君のお父さんはそれを見て、ギタキタンガから女の子の注意をそらそうとわざと車で突っ込んだ」「……」「だが、君のお父さんは逃げるのに失敗して死んでしまった。だが、君の父さんは勇気のある人だったんだ」

10時間経過し、ギタキタンガとともに暴れる巨大化するアングラモン。ウルトラマンAに変身する北斗。ギタキタンガとアングラモンを斃すウルトラマンA。父さんもきっと喜んでるねと北斗に言うダン。「君も父さんに負けないように頑張るんだ」「頑張ればウルトラマンAが来てくれるんだね」「そうだな」「あ。ウルトラの星が見える」「そうだ。君にもウルトラの星がずっと見えるようになった」「今度は消えないよ。北斗さん。俺はウルトラ6番目の兄弟になったんだ。ね」「ダン」「兄ちゃん」