ウルトラマンA 第20話 | ロロモ文庫

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駿河湾上空をTACアローでパトロール中に空を飛ぶ船を見たと主張する北斗。「本当なんです。俺はこの目で見て、追跡までしたんです」「船が空を飛ぶ?信じられないなあ」「しかし、俺は船の旗まで記憶してます」「蜃気楼ってこともあるわ」「いや、あれは本物だった」「蜃気楼説は有力だな。科学的に見ても船が自由に飛ぶなんて考えられない」「しかし」「北斗隊員。確か君は夏休みを取ってなかったな」「はあ」「いくら若いとは言え、たまには休みも必要だ。田舎でも行ったらどうだ」「わかりました。隊長、休暇を取らせていただきます」

駿河湾に行き、スカンジナビア号に乗り込む北斗。(この船だ。間違いない。確かこの旗だったんだ)旗をおろして確認する北斗に、馬鹿野郎と怒鳴る篠田。「こいつ、何をするんだ」「君こそなんだ」「俺の旗を無断で下ろすヤツがあるか。この旗は俺の命なんだ」「俺の命?」「そうだ。この船が動く時、俺の旗を掲げて出港するんだ。お前なんかに旗を降ろされてたまるか」「この船が昨夜、旗を翻して飛んでいたんだ」「船が飛んでいた?そんなことがあるか。俺はこの船が動く日を待って、2年もここにいるんだよ」「2年も?」

俺はこの船の機関室で働きながらその日を待っていると語る篠田。「この船は日本に来てから、ホテルとして係留されている」「しかし昨夜は確かに」「わからんやつだな。この船は俺が動かすんだ。その時までは絶対に動かないんだ」「……」「俺が大学を飛び出した気持ちなんて、あんたにわかるもんか。自由だ、解放だ。みんな勝手なことばかりやりやがって、真実なんてどこにもありゃしない。一体俺達は何を信じたらいいんだ」海に向かって、バカヤローと叫ぶ篠田。「俺はこの船が動く瞬間に賭けたんだ。その瞬間だけは絶対に真実だ。その日を信じて、俺はここにいるんだ」「そうか」

スカンジナビア号を徹底的に調べて、焼けただれた船腹を見て、スカンジナビア号が空を飛んだと確信する北斗。これはまずいと呟くヤプール。「我々の秘密を知られた者は生かしておけん。いでよ、ゼミストラー」大暴れして港町を破壊するゼミストラー。出動するTAC隊員。「こちら北斗」「竜だ。まもなく現場に到着する。そちらはどんな様子だ」「隊長、超獣は陸で暴れてます。海に追い落としてください」「了解」

冗談じゃないと北斗に詰め寄る篠田。「海へ追い落とす?冗談じゃない。船はどうなるんだ」「なんだと。この町の人たちとあの船とどっちが大切なんだ」「俺には船の方が大事だ。あんな超獣にやられてたまるか。俺は船を守るぞ」バカヤローと怒鳴り、篠田を殴る北斗。「ちっとは自分の命のことを考えろ」「船は俺の命なんだ」

スカンジナビア号に乗り込む篠田。後を追ってスカンジナビア号に乗り込む北斗。「隊長、まだ船に人がいます。超獣を海に追い落とすのはやめてください」「了解」スカンジナビア号に向かい、スカンジナビア号を浮遊させるゼミストラー。あの超獣が船を動かしたんだわと呟き、ゼミストラーをTACアローから攻撃する南。口から火を吐いて、TACアローを撃墜するゼミストラー。海中に墜落するTACアロー。「夕子」「星司さん」ウルトラマンAに変身する北斗と南。ゼミストラーを斃すウルトラマンA。

俺は船を降りると北斗に言う篠田。「俺は気が付いたんだ。待っていても船は動かない。自分で動かさなきゃいけないってことを」「それでこれからどうするんだ」「大学に戻るんだ」「もう一度か」「ああ。まだ可能性は十分ある。じゃあな。どっかで会おうぜ」北斗と篠田は握手を交わすのであった。