青葉繁れる | ロロモ文庫

ロロモ文庫

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稔、デコ、ジャナリの三人は東北の名門校である男子校の仙台一高に通っていたが、三人とも名うての劣等生でいつも猥談ばかりしていた。そんな三人の憧れの的である小料理屋のママである多香子の店には校長のチョロ松が足繁く通っていた。そして多香子の弟である俊介が東京の高校から転校してくる。この町は初めてかと俊介に聞く稔。「上野から北は来たことないんだ」「この町をどう思うっす?」「嫌いだな」

稔の部屋で酒を飲む稔とデコとジャナリと俊介。それを見て「生徒が酒飲んで、先生に言うたろう」と歌って去っていく娘。なんだいあれはと聞く俊介。「俺たちの小学校の同級生でハツ子ちゅうんちゃ。ちょっとここがおかしいんだ」「大分おかしいよ。それに妊娠してるぜ」「東京もんにやられったつうよ」「女って悲しいね」本当の酒の飲み方を教えてやると言う俊介。「手の甲に塩を置いて、それを舐めながらグビリグビリとやるのさ」酔っぱらってぶっ倒れる俊介。俺たちは東京もんに勝ったと喜ぶデコ。

仙台二女高の演劇部の代表が仙台一高との創立記念日に催す合同演劇のために仙台一高にやってくると言うことで学生たちは大騒ぎする。仙台二女高の演劇部の女性を品定めする稔たち。「あの眼鏡は65点だな」「あれは55点」「あれは男を意識しているから40点」「ではあのでっかいのは」「あれはダメだ。タンコブだから0点」「あのおっぱいは10点やってもええべ」そこに現れるひろ子。「100点」「最近東京から転校してきたそうだべ」「なんちゅうかわいかおなごじゃ」「モナリザじゃ」

仙台二女高の演劇部は合同演劇の意味がないからやめようと主張するが、意味あるようにすればいいんじゃないかなと言う俊介。「あんたは誰なのしゃ」「もちろんここの生徒だ。県立高校は男女別学にしなければならない。そんな県教育委員会に対する僕らのレジスタンス。それが合同公演最大の意義さ。たとえば英語劇をする。あくまで英語の勉強をすると言ううたい文句でやればいい」「ええことね。素晴らしいちゃ」「ロミオとジュリエットで行こう。折角僕が口を突っ込んだんだ。僕がロミオと演出をやろう。今日、演劇部に入部する」東京もんは一味違うと感心するジャナリ。ひろ子の美しさにみとれる稔。「ありゃモナリザじゃ」

ひろ子は満場一致でジュリエット役に決まり、稔とデコとジャナリも演劇部に入部するが、従僕A、B、Cの役目を与えられる。たった一行しかセリフがないと文句を言う三人にそのセリフの意味がわかるのかと聞く仙台二女高の演劇部顧問の斉藤先生。「わかりません」「じゃあ一行で充分です」芝居の稽古にかこつけてひろ子に愛を打ち明ける俊介。

俺たちはA、B、Cをやめると俊介に言う稔たち。「毎日毎日、君たちを見てると精神衛生上、悪いのっしゃ」「だろうな、いいよ。A、B、Cなら誰でもできる。それより、俺とひろ子は創立記念日までにロミオとジュリエット以上の関係になるぜ」「関係?」「ひろ子の香りはいい。牛乳の香りだ。それに抱きごこちが凄くいいんだ。マシュマロのような感触だな」ハツ子に出産費用だと5000円を渡す稔たち。ありがとうと言って稔たちにあそこを見せるハツ子。

ひろ子は高校を辞めて東京に行ってしまう。ひろ子がいないともうダメだと落ち込む俊介はロミオ役を辞退する。斎藤先生がいない隙に女生徒たちをデートに誘う稔。「今度の土曜日、午後二時、松島の五大堂で」「俊介さんも来んのすか」「当たり前でっしゃ」五大堂で女生徒を待つ四人。「まあ、四人は来るね」「誰でもええからタンコブだけは勘弁してほしいしゃ」しかしやってきたのはタンコブだけだった。「俊介、お前行ってこい」「いやだよ、俺は」「じゃあ誰が」「じゃんけんで決めっぺ」「いや。じゃんけんよりもええ方法がある」

ズボン越しに皆のイチモツを触るジャナリ。「今一番大きくなってるのが相手すっしゃ。ここは正直者。嘘はつかねえっぺ。あっ、デコ。お前が相手することに決まったっしゃ」「タンコブのでっけえ胸のこと考えてから、こうなったのしゃ」三人は身内に不幸があったと言ってデコはタンコブとデートし、タンコブの胸に興奮して襲いかかるが、タンコブはパンツを二枚はいていた上にスクール水着まで着用していたので未遂に終わる。そこまでしてあそこを守るおなごかやと呆れる稔。そして電車の中で稔たちはチョロ松と多香子が仲良く話しているのを見かける。

姉貴の気持ちがわからないと言う俊介。「結婚話は山とあるのに、よりによってチョロ松とは。姉貴に聞いたら、あのちょび髭が好きなんだとさ。チョロ松には家庭があるし、それを壊すつもりはないそうだ」多香子の店を出たチョロ松を取り囲む稔たち。「そのちょび髭で何人のおなごをたぶらかしたのしゃ。チョロ松君」「しょこは本校の生徒でねえべかや」「清純可憐な23歳の乙女を騙したべ」「お前は確か本校の生徒だべ」「そういうあんたは確か本校の校長のチョロ松だべ」「……」「先週の日曜日、どこに行ってたんだ。ちゃんとネタは上がってるぞ」天誅だとチョロ松をボコボコにする稔たち。わしを殴ったことは人に言うなと怒鳴るチョロ松。「今のことさ誰にも言うなよ。しゃべんなよ」去っていくチョロ松。仙台一高の応援歌をがなりながら、店の看板を盗む稔たち。

稔たちは創立記念日の催しに看板を売りに出す。そして校長室に呼ばれる稔たちは、斉藤先生にうちの生徒に乱暴したんですと言われる。「元ロミオと従僕A、B、C」「四人がかりでやんすか」「いえ。三人は覗いていたのです」「では一対一すか。で完遂だったんですか」「彼女は勇敢にも純潔を守りました。というのは私はかねがねどうしても男と二人きりになる時は下ばきの下に海水着を着けるよう指導してきたものですから」「それは卑怯ですな。それに彼女はそういうことが起こるとわかってって行ったのに、あとで泣きわめくと言うのも卑怯ですな。それに海水着を着けさすというのはどうですかな」「なんでですか」「水着を着てるから安心。だから男の子の誘いにちょっと乗ってみようって気になる」「まあ」「わが校の生徒が粗暴であったことは認めます。うちの粗暴とあんたの卑怯。これは痛み分けってことで」

稔はハツ子がお産がうまくいかなくて死んだことを知る。そしてチョロ松は教育委員会に召喚される。「きっと俺たちの看板泥棒がバレたんだっぺ」「チョロ松、クビになるんじゃろうか」「チョロ松、クビになったら多香子さんが嘆く」「チョロ松が辞めることはねえべ」「俺たちが退学だ」教育委員はチョロ松にデコの暴行未遂事件に関しては内聞に納めるから退職することはないと言う。

そこに現れる稔たち。「先生が辞めることはねえっしゃ」「看板泥棒は俺たちっしゃ」「僕たちは退学でもええです。校長は辞めさせないでっしゃ」「教育委員会の皆さん。校長を辞めさせないでください。犯人は僕たち四人です」馬鹿者と言って四人を叩きだすチョロ松。「ご覧のとおりですっちゃ。生徒に対する目に余る暴行。改めて退職願をお納め願います」

チョロ松はさよならって言ったと俊介に言う多香子。「それだけ?」「ええ」稔たちはチョロ松の家に行き、チョロ松が英語塾を開設したことを知る。呟くジャナリ。「ひょっとすっと俺たち、みんなば不幸にしてしもうたんじゃなかんべか。多香子さんもチョロ松も」そうでもねえさと言う俊介。「それが人生なのっしゃ。姉貴だってチョロ松だってひろ子だって。色々あってそれで人生は面白れえのっしゃ」「俊介。おめえ、今、言葉なまってたっしゃ」「あ、そうか。俺もとうとう田舎っぺか」チョロ松の英語塾の看板を見せるデコ。「デコ、なんだ、それ」「名刺代わりにもらって来たっちゃ。看板がなくなったらチョロ松は俺たちが来たのがわかるっぺ」「やったあ」四人は看板を抱えて走り回るのであった。