2011/3に訪ねたトルコの旅を綴っています。

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

一緒にトプカプ宮殿を巡ることになったYは、私より10歳ほど年下。なぜ日本語堪能なのか聞いたところ、アンタルヤで出会った何人かと同じく日本に住んでいたことがあり、別れた奥さんも日本人だったと。 イスタンブルの中心スルタン・アフメットで絨毯屋を営んでいるらしい。

 

 

以前に書いたこの人物とはまた別です。

 

 

 

私は、上↑の記事に書いたZに初めて会った時、彼を既に知っていました。トルコへ行こうと調べていくうちに、この人物の情報をネットで見かけたのです。イスタンブルの絨毯詐欺師一覧のようなものに載っていました。

 

 

 

 

 

そして私は今、目の前にいるこの人も知っている。名前と顔が一致している。

 

 

 

 

 

彼は絨毯詐欺+恋愛詐欺師

 

 

 

 

 

Yは特に悪質なようで、私がネットで見た日本人女性は、結婚詐欺に遭ったうえ価値ない絨毯を高額で売りつけられたよう。

 

 

 

 

 

その女性のブログによると、Yが彼女に声をかけ言葉巧みに近付いて少しずつ介入。会話が前向きで誰に対しても親切にふるまう爽やか好青年な彼に、彼女も少しずつ惹かれたようで、気が付いたら親密になっていたそう。

 

 

 

 

 

 

そして、結婚をチラつかせたYから数百万の絨毯を購入し一旦日本へ帰国すると、その後一切連絡が取れなくなったのだとか。これは怪しいと絨毯を鑑定に出したところ、それほど価値のない事が判明し詐欺だと気づいた。

 

 

 

 

 

 

彼女は泣き寝入りせず訴えを起こし、トルコの司法も動かしたようです。また、彼女はブログでこれら詐欺師について強く注意喚起してくれていました。さらに、被害を拡大させないため、該当絨毯屋での高額クレジット決済を一時保留にする働きかけをクレジット会社にまで掛け合うなど、当時少し読んだだけでも文章の書き方や内容から彼女は聡明な印象でした。






私がトルコへ来る数か月前に読んだので、今(2023)から13年以上前に書かれたもの。今でもブログは存在するのではないかな。

 

 

 

 

 

どこの国でもそうですが、都会には悪い輩がいますね。この旅でイスタンブルまでに出会った地方都市の人々は純粋で大変親切にしてもらいましたが、大都会イスタンブルはここまでとはガラリと雰囲気が変わります。

 

 

 

 


 

ただ、イスタンブルで日本語を話す詐欺師は分かりやすい。アンタルヤの日本語を話すトルコ人のオッサンたちとは明らかに違います。何が違うかというと人種。絨毯詐欺師の彼らはトルコ人でなく、十中八九クルド人です。トルコ人とクルド人は顔が明確に違うのですぐに分かります。上のリンクで書いたラスボスZもクルド人。もちろんYも。







クルド人は国家を持たない世界最大の民族です。人口は4,500万人前後とされており、多くがトルコ、イラク、シリア、イランの山岳地帯を中心に居住しています。

 

JCIFpedia|JCIF 公益財団法人国際金融情報センター

 

EU人口で比較すると、2022現在1位はドイツの8.3千万人、2位はイギリス6.7千万人、5位のスペインは4.7千万人でその次に来る多さなのですよ。その下はポーランドのの3.7千万人なので、これだけ多くの1民族が国家を持たず何ヵ国にも跨って居住していることになります。

 

 

  


 

トルコ東部のクルド人地域では、クルド人女性によりよく絨毯が編まれます。それをクルド人男性たちがイスタンブルに持ってきて売っていたのが初めでしょう。だから絨毯屋はクルド人が多い。

 




 

私はトルコにこれ以降何度も足を運びますが、イスタンブルにいて日本語で話しかけてくるクルド人は大概、話の最後に絨毯屋へ誘います。当時のイスタンブルで私は様々な絨毯詐欺師に遭遇しました。中には良い人もいます。そして、Zのように人生を考えさせられる、ある意味ありがたい詐欺師もいました。笑


 



クルド人全員が全員、悪いと言っているわけではないので悪しからず。良い人が大半です。クルディスタンではだいぶ親切にしてもらいました。



 


私の訪ねたイラク北部のクルディスタン地域は、クルド人の国(未承認国)として独立した格好を取っています。国を持たないことで歴史的に迫害を受け続けてきた民族でもありますので、クルディスタンでのクルド人は穏やかに生活しているように感じました。





 

 

尚、クルディスタンは国際的にはイラクの一自治区。クルディスタンのビザではイラクには入国できません。米国のバックアップで成り立つ未承認国です。もちろん米国はその見返りにイラク政府の承認なくここから原油を強奪しています。近所のシリアからも。

 

 

 


 

と、話が飛躍してしまいましたが、旅に戻りますと、トプカプ宮殿を出るとYは、






「うちの店で紅茶でも飲んで休みませんか」






と誘ってきました。

 

 

 

 




 

 

長くなったので続きます。