2022年GWに訪ねたイラクの旅を綴っています。現地で書いたものに写真と文章を大幅に追加しています。
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ナジャフから20分くらいですかね。クーファのグランド・モスク近くに着くと、運転手が「ここだよー」と教えてくれたのでバスを降りました。
クーファは、先述の通りイマームのアリーが正統カリフ時代にメッカから遷都した都市。そして、中世アッバース朝の首都にもなった歴史のある街です。
アラビア文字の最古の書法「クーフィー体」の名前の由来。そして、イラク国旗の中のこの文字はクーフィー体で書かれていますよ。思った以上にイラクにとって重要な地と思われます。
また、クーフィーヤもクーファから取られたといわれています。
アラブの男性が頭に巻いている布ですね。
いろんな巻き方があって、カッチョイイですよね。私もヨルダンへ行ったとき首都アンマンで赤黒一枚ずつ購入して持っています。今、日除けのカーテンになってる。爆
クーファは古代は軍事都市。中世アッバースの頃から神学と学問都市として発展したようです。その関係から色々と生まれたのかもしれないですよね。
さあ、早速クーファのグランドモスクへ入ります。
ここは入り口。警備の警察にカメラとパスポートを預け、チャドルを借り、二度のチェックポイント(持ち物、ボディチェック)を通過。イラクに着いた最初の頃こそ警察や警備員にパスポートを預けることに驚きと戸惑いがありましたが、イラク人は信用に値することが分かってきましたので気にならなくなりました。
クーファは先述の通りアリーの信奉者が多いです。サウジのメッカからわざわざ首都を遷したくらいですので相当ですよね。
アリーの息子フサイン(殉教王子)にカルバラーでの戦いを促したのもクーファのアリー一派です。
そもそも、アリーを第一イマームとしてイスラム教の長に血統を重んじ、アリー・シーアを勃興させたのも元はここクーファの人々です。イスラム教にスンニやアリー・シーアの派閥ができたのもそうですし、アリー関連の大きな出来事・事件はここクーファを中心に起こってきたと言っても過言ではありません。
更に、アッバース革命の中心地ともなったほか、アリー信奉のシーアが多いためしばしば反乱・反政府の温床となってテロも頻発。イラク戦争では米軍と戦闘が発生したりと、とにかく血気盛んに思えますね。
しかし現在に至っては、世界中から巡礼者の集まるナジャフとは違い、なんだか静か。人口もナジャフに比べてうんと少ない。
カルバラー「サワサワ」、ナジャフが「ガヤガヤ」だとすると、ここクーファは「スーッ」空気の乱れがない。
これは、女性側の礼拝室入り口。美しいので、スマホの待受にしてます。
イラクで訪ねた寺院、モスクの中でもカルバラーのアッバス廟に次ぐ美しさでした。
こちらは男性側。シャンデリアも趣向凝らした豪華なものです。
うわー。
感嘆詞しか出てこない。笑
女性側の礼拝室へ入ってみるとこのような感じ。最初に見たサーマッラーではウワーッとなりましたが、カルバラー、ナジャフと経て見慣れましたかね。笑 やっぱカルバラーのアッバス廟が一番すごい。
逆光で分かりづらいですが、ミナレットも美しいデザインでした。
更に奥へ行ってみます。イマームの聖地とは違い中央の建物がないので、中の礼拝広場も広々としています。
ここは、廊下にあたるところです。
ここでは、ちょっとだけ離れた2か所で説いていらっしゃるお二人が。これほど広いのに、なぜ近くで説法?別の場所で説けばよいのでは?とは思ったのですが、ここに限定されているのですかね?座って聴いてみます
たまたま座った横にコーラン(かハディース?)が置かれていました。
(コーランは、ムハンマドを通じて語った神の啓示で、ハディースはムハンマド自身が語ったもの)
コーランもハディースも基本はアラビア語なのですよね。一つの漢字に様々な意味があるように、アラビア語も一単語で一文章並みの意味があるものあり、各国言語に翻訳されてはいるものの、コーランに書かれていることを完全に一寸の齟齬もなく訳すのは難しいらしいのです。
なので、敬虔なムスリムである私の友人のパキスタン人の一人は、自身はウルドゥ語を話しますが、コーランを完全に読解するため今、懸命にアラビア語を勉強していますよ。
アラビア語は、世界で五番目に多い母国語人口を持つ言語ですのでね。私もイラクから帰ってアラビア文字練習帳をポチっちゃいました。笑(本当にやるかどうかは別)
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結局、勉強したのは本が届いて2周間くらい。爆
このグランドモスクは、古く中世の時代から元々この場所にありまして、近年になって大規模に改修されたようです。イマーム・アリーの暗殺された場所でもあるのですが、どうも男性側の礼拝室にあるのかな?どこか分かりませんでした。
ここクーファへアリーが首都を遷都し、このモスクで殺害されたことでスンニとシーアが明確に派閥化。後世いくつもの戦争、内戦、ジェノサイド、テロ事件が起こるキッカケになるなど、アリー自身は知る由もないですよね。
さてグランドモスクを後にし、そこから歩いて50分ほどのグレートモスクへ向かいます。
が、ちょっと体調が。。